2023年10月02日
第7回東日本大震災から学び未来につなぐ活動を実施しました。
想像を超える自然災害からの教訓に学び、そして風化させないこと、また原発事故により未だ震災前の状況からはほど遠い現実がある被災地における未来に向けた取り組みを学び、共に考えることをテーマとした「東日本大震災から学び未来へつなぐ活動」を開催しました。昨年から名称を変更し、今回で7回目の開催となりました。
13組織20名の参加者とスタッフ7名で、宮城県と福島県の沿岸部に訪問し、震災遺構や新たに設立された伝承施設の視察や語り部のお話から自然災害の脅威や防災の重要性を学び、そして12年が経過してなお人が戻っていない被災地の現状や未来に向けてどのような取り組みが行われているのか理解を深めました。
①南三陸311メモリアル、南三陸旧防災庁舎(宮城県南三陸町) ~あの日生死を分けたのは何だったのか
南三陸311メモリアル、南三陸旧防災庁舎では、住民の証言映像をもとにしたラーニングプログラムを通じて 「もし自分がそこにいたら、どう考え行動するか」、いざというときの命を守る備えについて学びました。また多くの職員が流された旧防災庁舎で黙祷を捧げ、屋上を2mも超えた津波の巨大さを実感しました。
②大川小学校跡地(宮城県石巻市) ~安全と言われていた小学校で起きた悲劇
大川小学校では校庭にいた児童78名中74名、教職員11名中10名が死亡する悲劇が起きてしまいました。なぜ裏山に避難しなかったのか。ハザードマップでは浸水しないとなっていたが、そこに疑いがなかったのか。実際に娘さんを亡くされた鈴木さんから、当時何が起きたのか実際の現場を回りながらお話しいただきました。遺族の無念さを感じるとともに、防災に関する意識や避難訓練の重要性を実感するお話でした。
③ 大熊町役場・町内視察 (福島県双葉郡大熊町・双葉町) ~心の復興を進める大熊町
大熊町は原発事故で全面立入り禁止となり、住民は避難を余儀なくされました。現在徐々に避難指示は解除されているものの、住民の震災前の5%ほどしか帰還していません。大熊町役場では国や県と連携し、住民の帰還支援だけでなく、新たな住民の移住・定住に向け、一からの街づくりに取り組んでいます。町内視察では語り部の渡辺さんより、役場と違う住民の目線で、町内に沢山残っている手つかずの家屋や「除染土の最終処分は30年後までに県外で」と定められながら中間貯蔵されている事に対する思い、大きなハコ物ばかりが作られている一方で住民が戻らないことに対する思いなど、様々な住民感情についてお話いただきました。こうした現実をもっと知ってほしい、役場も住民も共通した思いであり、広く伝えていかなければならないと感じました。
④原子力災害伝承館(福島県双葉郡双葉町) ~あの時原子力発電所に起きていたこと
原子力災害伝承館は東日本大震災と津波に伴う原子力災害を後世に伝えることを目的として2020年に新たに設立された施設です。地震発生から福島第一原発の事故への経過、避難を余儀なくされた県民の想いを発信するなど、様々な展示から学べるとともに、語り部の方からの講話も聴くことができます。
宮城県の沿岸部において発生した想定を超える甚大な災害からの学びと、原発の事故により避難生活を余儀なくされた福島県浜通り地区の現在の状況および復興に向けた今後の取り組みについて理解を深めました。
「今回の学びを組織内で伝えていきたい」「今後も継続して開催してほしい」「多くの人に参加してもらいたい」など、参加者の皆さんから意見をいただきました。今回の活動から学んだことを未来へつなげていただくことを望みます。
東日本大震災を風化させず、共に学び、未来に向けて共に考えていくべく、今後も活動を検討していきますので、引き続きのご参加をよろしくお願いいたします。