活動紹介

2023年06月16日

『電機連合@見える化通信』Vol.137

~子育て支援の財源はどうする?現在の生活と将来、自分事として考えよう~

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電機連合の活動の中に「産業政策・社会政策」
の取り組みがあることを知っていますか?
産業政策は電機産業や日本をより豊かに発展
させるため、社会政策は暮らしや生活をより
良くするための取り組みです。

私たちの周りには様々な問題があり、その中
には、個別企業労使の話し合いだけでは対応
しきれないものも多数存在します。

電機連合は働く者の立場から、自らに関係す
る課題について政策・提言をまとめ、政府や
省庁などと意見交換を行い、政策実現を目指
しています。

『電機連合@見える化通信』では、何となく
小難しくて見えづらい政策課題について、そ
の中身を少しずつご紹介していきます。
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~子育て支援の財源はどうする?
現在の生活と将来、自分事として考えよう~

政府が掲げる「異次元の少子化対策」を実行
するには数兆円規模の財源が必要です。少子
化は子育て世帯に限らず誰もが関わる問題で
あるため、私たちの現在と将来の生活に少子
化がどう影響するかをふまえ、自分ごととし
て考えていくことが求められます。


【こども・子育て支援加速化プラン
            実現するには】

少子化は労働力人口の減少からくる人手不足
や、1人あたり社会保険料の負担増加など私
たちの生活に深刻な影響をもたらしており、
社会全体で少子化対策に取り組む必要があり
ます。
政府は3月末に少子化対策の試案(こども・
子育て支援加速化プラン)を公表し、基本理
念として①若い世代の所得を増やす、②社会
全体の構造・意識を変える、③全ての子育て
世帯を切れ目なく支援する―の3点を掲げま
した。その上で、今後3年間で図表1の内容
をはじめとする課題に取り組むとしています。

これらの施策を実現するためには数兆円の財
源が必要とされています。例えば児童手当に
ついては所得制限の撤廃に約1500億円、
支給の延長に4000億円、2人目以降への
増額には数兆円かかるとの見込みであり、こ
れ以外の施策についても財源をどのように確
保するのか、現在さまざまな議論がされてい
ます。6月には財源を含めた少子化対策の大
枠が示される予定です。

【社会保険料・国債・消費税 
        メリットとデメリット】

子育て支援の財源を確保するための方法とし
て社会保険料が有力視されています。また、
安定財源が確立するまでは国債の発行も検討
される見込みです(5月26日現在)。その他
消費税を検討すべきとの意見もありますが、
それぞれメリット・デメリットがあります。
(図表2)
社会保険料を財源とする場合、税より国民の
合意形成を図りやすくなります。
しかし、「取りやすいところから取るのか」
といった指摘や、社会保険料とは医療・介護
・年金というそれぞれの目的があるため、子
育てを目的にしてよいのかという意見もあり
ます。また、社会保険料は賃金に保険料率を
掛けて決まるため、現役世代の負担が重くな
ります。
消費税であれば高齢者も含め広く国民全体で
負担を分かち合うことになります。しかし現
在の物価上昇などを考慮すると、さらなる税
負担に向けた国民の合意形成が難しいものと
なります。また低所得者への負担が大きくな
るため、その対策も必要です。
国債であれば現時点で国民への負担は生じな
くなりますが、子どもたちの世代に負担を先
送りにしているとの批判もあります。


【子育て支援に必要な財源とは 
           私たちも考えよう】

子育て支援の恩恵は子どもや子育て世帯に限
らず、すべての人が受けることになります。
例えば子どもたちが働き手として、また社会
保障や財政を通じて私たちを支えることにな
るからです。そのため、子育て支援の財源に
ついて、税も含め幅広く検討し社会全体で支
えることが重要といえます。財源として有力
とされている社会保険料の場合、現役世代に
負担が集中し賃上げの実感が薄れたり、可処
分所得の減少につながったりすることが考え
られるため、慎重な検討が必要です。私たち
も財源をどう確保していくか、私たち自身の
将来の生活にも関わるものとして考えていく
ことが求められています。


【電機連合千葉地方協議会】
 ・公式HP
 (http://www.jeiu.jp/chiba/)
 ・事務局長ブログ
 (https://denki-chiba.seesaa.net/)


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