2023年05月08日
『電機連合＠見える化通信』Vol.136
～生成系ＡＩの発展で私たちの仕事はどうなる？～
電機連合の活動の中に「産業政策・社会政策」
の取り組みがあることを知っていますか？
産業政策は電機産業や日本をより豊かに発展
させるため、社会政策は暮らしや生活をより
良くするための取り組みです。
私たちの周りには様々な問題があり、その中
には、個別企業労使の話し合いだけでは対応
しきれないものも多数存在します。
電機連合は働く者の立場から、自らに関係す
る課題について政策・提言をまとめ、政府や
省庁などと意見交換を行い、政策実現を目指
しています。
『電機連合＠見える化通信』では、何となく
小難しくて見えづらい政策課題について、そ
の中身を少しずつご紹介していきます。
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～生成系ＡＩの発展で
私たちの仕事はどうなる？～
最近のAIの普及は驚異的ともいえ、中でも、
昨年１１月末にリリース後わずか１週間でユ
ーザー数100万人を突破したChatGPTに代表さ
れる生成系AIの技術が注目されています。
生成系AIの進化とその広がりはどのような影
響をもたらすのでしょうか。
【生成系ＡＩとその活用範囲】
生成系ＡＩとは人工知能（ＡＩ）の一種で、
人間が行う創造的なタスクを実行することが
できる技術です。文章やソースコード等のテ
キストの他にも、音声や音楽、画像、動画な
どを自動生成することができます。これまで
のＡＩ技術は、人間が決めたルールに従って
特定のタスクをこなすものがほとんどでした。
しかし、生成系ＡＩは、あらかじめ決められ
たルールに従うのではなく、学習データから
自己学習を行い、自律的に創造的な作品を生
成することができます。
生成系ＡＩは、すでに様々な分野で活用され
ています。ビジネス分野では、文章生成や画
像生成のみならず、商品の需要予測や広告の
最適化、顧客サポート等、医療分野では画像
診断や遺伝子解析などが生成系ＡＩを使って
行われています。将来的には、生徒一人ひと
りに合わせて作られた教材を使って各自のペ
ースで学習するといった教育分野での活用も
期待されています。
【生成系ＡＩが仕事に及ぼす影響】
生成系ＡＩの進化は私たちの仕事にも大きな
影響を及ぼすと言われています。例えば、デ
ータ入力や資料作成といったオフィスワーカ
ーの定型的な業務や外国語の翻訳等、従来人
手でやってきた仕事の一部あるいは多くがＡ
Ｉに代替または自動化され、業務効率化が劇
的に進み生産性が向上すると予測されており、
私たち労働者はＡＩを活用した新しい業務の
進め方への対応や、新たなスキルの習得が求
められるでしょう。また、生成系ＡＩを活用
し、これまでになかった新しい文化産業やビ
ジネスモデルが生まれるのではないかとも言
われています。
もちろん生成系ＡＩには課題もあります。例
えば学習に用いられるデータセットに偏りが
あれば導き出される結果にバイアスが生じま
すし、生成された作品が著作権やプライバシ
ーの問題などを引き起こす可能性もあります。
従って、データの品質管理や導き出された結
果に対する最終的な判断は人間が行う必要が
あります。さらに、生成された作品の使用方
法や著作権の取り扱いなど、法的な規制や倫
理的なガイドラインの策定、データを集める
ための倫理的な枠組みも必要となってくるで
しょう。
【労働組合ができること】
生成系ＡＩの進展により、労働者にとっては
負荷の軽減や作業効率の向上が期待できる一
方で、仕事を失うのではないかという懸念も
生じています。今後、私たちは、ＡＩの進展
によって減少・喪失する仕事に代わる新しい
仕事の創出や、新しいスキルを身につけるた
めの教育プログラムの提供を会社側に求めて
いくことが必要になってくるかもしれません。
生成系ＡＩの新たな可能性を活かしつつ、働
く者をいかに守っていくかを考えていくと同
時に、私たち一人ひとりが主体的にリスキリ
ングに取り組むマインドを持つことが必要で
す。
【電機連合千葉地方協議会】
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(https://denki-chiba.seesaa.net/)
