活動紹介

2022年11月07日

『電機連合@見える化通信』Vol.131

~病院の収入減を保険料で補うのは反対  全額公費で賄うべき~

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電機連合の活動の中に「産業政策・社会政策」
の取り組みがあることを知っていますか?
産業政策は電機産業や日本をより豊かに発展
させるため、社会政策は暮らしや生活をより
良くするための取り組みです。

私たちの周りには様々な問題があり、その中
には、個別企業労使の話し合いだけでは対応
しきれないものも多数存在します。

電機連合は働く者の立場から、自らに関係す
る課題について政策・提言をまとめ、政府や
省庁などと意見交換を行い、政策実現を目指
しています。

『電機連合@見える化通信』では、何となく
小難しくて見えづらい政策課題について、そ
の中身を少しずつご紹介していきます。
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~病院の収入減を保険料で補うのは反対
          全額公費で賄うべき~

感染症法の改正案が国会で審議されています。
法案には医療機関の減収を補う流行初期医療
確保措置が盛り込まれていますが、保険料も
充てることは問題だといえます。


【病院の減収を補う
       「流行初期医療確保措置」】

政府は10月7日、感染症のまん延に備えた感
染症法の改正案を閣議決定し、現在開会中の
臨時国会に提出しました。新型コロナウイル
ス感染症への対応をめぐっては、都道府県と
医療機関の調整が十分に行われず、医療体制
がひっ迫して病床が十分に確保できなかった
ことなどが課題となりました。その反省を踏
まえた対策が求められています。
法案では、都道府県は感染症の予防計画を作
成したうえで、地域の中核となる医療機関と
平時に協定を結び、病床や外来医療の確保な
どを義務付けるとしています。また、協定に
基づいた医療を提供するよう医療機関に勧告
や指示ができ、それに従わない場合は医療機
関名を公表することなどが盛り込まれていま
す。

感染症の流行が広がった際、協定を結んだ医
療機関は一般医療を制限して感染症専用の病
床に転用しなければなりません。そのため、
感染症の流行初期は病院の収入が低下します
(図表1)。ちなみに、新型コロナウイルス
感染症の流行が本格化した2022年は4月
に555億円、5月は934億円、7月は
397億円、8月は323億円が前年度から
減収となりました。
(病床数上位500病院の合計額)
その減収分を暫定的に補い医療機関の事業継
続を支えるしくみとして「流行初期医療確保
措置」を設け、国・都道府県と保険者(健保
組合や協会けんぽなど)が半分ずつ支援し
(図表2)、診療報酬の上乗せや医療機関へ
の補助制度が充実した後で差額を精算すると
しています。

政府は私たち被保険者も感染症患者として適
切な医療を受けられ、感染症以外の必要な医
療も確保されること、診療報酬の上乗せや医
療機関への補助制度が充実するまでの暫定的
な支援であることなどを踏まえ、保険者にも
負担を求めたいとしています。


【保険料で減収を補うことには反対】
8月と9月に開かれた厚生労働省の審議会で
は、この政府案に対し「感染症がまん延する
ことを防止する目的で行われる対策は、行政
の責任において、費用は公費負担で行われる
ことが原則」と反対する意見が保険者から出
されました。私たち被保険者の立場から参加
している連合も「医療体制の確保は重要だが、
減収補償の費用負担者に保険者も入っている
のは承服できない」、「保険者が診療行為を
伴わない病床確保の責務を負い、費用負担す
ることに対して被保険者の理解が得られるの
か疑問が残る」との意見を表明しています。


【骨太方針に「診療報酬改定DX】
そしてついに今年六月、一筋の光明が見えて
きました。骨太方針2022中に「診療報酬改定
DX」の文言が盛り込まれ、政府は「デジタ
ル時代に対応した診療報酬やその改定に関す
る作業を大幅に効率化し、システムエンジニ
アの有効活用や費用の低廉化を目指す」とし
ています。 今後は行政と関係業界が一丸と
なって取り組みを進め、総理を本部長とする
「医療DX推進本部(仮称)」を設置する予
定です。
政府内での具体的な検討はこれからとなりま
すが、電機連合としては今回の作業効率化に
加え、これまで訴え続けてきた改定施行日の
後ろ倒しなど診療報酬改定プロセスの見直し
についても働きかけを行っていきます。


【法案の修正を求める】
私たちの生命や健康に重大な影響を与えるお
それのある新たな感染症の発生やまん延に対
応するため、医療機関の減収を補うしくみは
必要であり、理解できます。しかし、私たち
の月々の賃金や一時金から支払われている健
康保険料は、病気やけがの治療、健康増進な
どに使われるものです。医療機関を支援する
財源については、診療の実績がなくても支払
う必要のある負担だということなどを踏まえ、
全額を公費で賄うべきといえます。
電機連合は組織内議員や連合と連携し、法案
の修正を求める取り組みを進めていきます。



【電機連合千葉地方協議会】
電機連合千葉地方協議会
公式HP(http://www.jeiu.jp/chiba/)
ブログ(https://denki-chiba.at.webry.info/)
電チバちゃんねる!(https://www.youtube.com/channel/UC61IR7GsA1RYz_1pfRVUdeQ)

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