活動紹介

2020年12月14日

『電機連合@見える化通信』Vol.111

~ 不妊治療への経済的支援両立支援と並行した取り組みが重要~

『電機連合@見える化通信』Vol.111

~ 不妊治療への経済的支援
両立支援と並行した取り組みが重要~

電機連合の活動の中に「産業政策・社会政策」
の取り組みがあることを知っていますか?
産業政策は電機産業や日本をより豊かに発展
させるため、社会政策は暮らしや生活をより
良くするための取り組みです。

私たちの周りには様々な問題があり、その中
には、個別企業労使の話し合いだけでは対応
しきれないものも多数存在します。

電機連合は働く者の立場から、自らに関係す
る課題について政策・提言をまとめ、政府や
省庁などと意見交換を行い、政策実現を目指
しています。

『電機連合@見える化通信』では、何となく
小難しくて見えづらい政策課題について、そ
の中身を少しずつご紹介していきます。

~ 不妊治療への経済的支援
両立支援と並行した取り組みが重要~

不妊治療への保険適用が政府の方針で示され
る予定です。保険適用されるまでは現行の助
成制度が拡充されることも検討されています
が、休暇制度の導入や制度を利用しやすい環
境整備など両立支援と並行して進めていくこ
とが重要です。

【政府の動き】
10月26日、菅首相は所信表明演説で不妊治療
の保険適用を実現すると表明しました。保険
が適用されるまでは現行の助成制度を拡大し、
所得制限も撤廃する方針です。当事者から要
望の多かった、経済的負担の軽減、そして保
険適用の実現に向けた動きが一気に加速した
形になります。

【不妊治療の現状】
不妊治療を受けたことがある夫婦は増加傾向
にあり、全体で18・2%、子どものいない夫婦
では28・2%に上ります(*1)。2018年
に生まれた子のうち約16人に1人が体外受精
によって生まれたとの調査結果も明らかにな
りました。
不妊治療はまず不妊の原因究明の検査を行い、
不妊の原因となる疾患が判明した場合は、原
因に応じて投薬や手術を行います。タイミン
グ法、排卵誘発法、人工授精など一般不妊治
療では妊娠しない場合、体外受精や顕微授精
などの生殖補助医療を行います。費用は病院
により異なりますが、年間で100万円を超
える例も珍しくありません。
現在、一部の検査や治療には健康保険が適用
されますが、体外受精や顕微授精といった特
定不妊医療などは保険適用外です。そのため
一定の所得以下であれば、国費から助成が行
われています。その助成額は初回が30万円、
その後1回あたり15万円ですが、妻の年齢区
分があり、40歳未満の場合は6回まで、43歳
未満の場合だと3回までと回数に限りがあり
ます。(図表1)また夫婦合算ベースで73
0万円の所得制限が定められています。

【電機連合の取り組み】
電機連合では、加盟組合の組合員から「不妊
治療に対する支援がほしい」との意見を受け、
2006年から先駆的に取り組んできました。
事前の実態調査では、通院時間、医療機関の
診察時間、治療内容によって休暇・休職の必
要な期間が異なること、職場に治療を知られ
たくないという思いから半日休暇や時差出勤
で通院治療を行うため肉体的・精神的に大き
な負荷がかかっていることが明らかになりま
した。また、妊娠しないあせりから高度治療
の回数が増え、経済的な負担も大きいとの声
も寄せられました。
こうした組合員の声と実態調査を踏まえ、2
006年闘争ではまず不妊治療を理由とする
休暇・休職制度の要求を行い、休暇制度につ
いて80組合、休職制度について54組合で前進
回答を得ることができました。現在では33
8組合に休暇制度が、165組合に休職制度
が導入されています(*2)。
また、「高額な不妊治療の費用を捻出するた
めに夫婦共働きで頑張っているのに、所得制
限を超えて助成が受けられない」といった組
合員の不満の声を受け、経済的支援の観点か
ら、特定治療支援事業の所得制限の緩和を政
党・省庁にかねてから要望してきました。
(*2:2020年度仕事と家庭の両立支援
に関する調査)

【仕事と不妊治療の両立も並行することが重要】
政府は保険適用が実現するまでは助成の拡充
を進める方針で、所得制限を20年度中に撤廃
することなどを盛り込んだ第3次補正予算を、
年内に閣議決定する予定です。
不妊治療は精神的・体力的負担が大きいこと
から退職や雇用形態の変更を余儀なくされた
方も少なくありません(図表2)。
また、不妊治療を理由とした不利益取扱い・
嫌がらせといった実態も見受けられます。
経済的な負担軽減が重要であることはもちろ
んですが、並行して休暇・休職制度の導入並
びにプライバシーに配慮した運用等を通じ、
仕事と不妊治療の両立が可能となる職場にし
ていくことが重要です。電機連合では総合的
な施策の実現に向けた取り組みを、今後も進
めていきます。


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