2020年11月04日
『電機連合@見える化通信』Vol.110
~ 病児保育の利便性向上に向けてICT化を国が後押し~
『電機連合@見える化通信』Vol.110
~ 病児保育の利便性向上に向けて
ICT化を国が後押し~
電機連合の活動の中に「産業政策・社会政策」
の取り組みがあることを知っていますか?
産業政策は電機産業や日本をより豊かに発展
させるため、社会政策は暮らしや生活をより
良くするための取り組みです。
私たちの周りには様々な問題があり、その中
には、個別企業労使の話し合いだけでは対応
しきれないものも多数存在します。
電機連合は働く者の立場から、自らに関係す
る課題について政策・提言をまとめ、政府や
省庁などと意見交換を行い、政策実現を目指
しています。
『電機連合@見える化通信』では、何となく
小難しくて見えづらい政策課題について、そ
の中身を少しずつご紹介していきます。
~ 病児保育の利便性向上に向けて
ICT化を国が後押し~
体調不良の子どもを預かる病児保育事業で、
アプリ等で施設の空き状況や予約を行えるシ
ステムを導入する自治体に対し、国が費用の
一部を助成する施策が、今年1月に新設され
ました。この施策、電機連合が職場の声を受
け厚生労働省などに以前から求めていたもの
で、ようやく実現に至りました。
【利便性の向上望む職場の声】
電機連合が病児保育の充実を初めて掲げたの
は、2016年のことです。当時、病児保育
のある市町村は半数以下(45・5%)で、高
まる需要にその受け皿が追い付いていない状
況でした。
そこでまずは施設整備が急務であるとの認識
から、施設整備を加速してほしいと厚生労働
省等に訴えました(*1)。その後、徐々に
自治体への支援策が強化され、まだ十分では
ないものの施設数、利用児童数ともに着実に
増えてきています(*2)。
とはいえ「利用できない」といった不満の声
は依然として多く、2017年の秋季組織強
化期間では「何に課題があるのか」、当事者
の具体的な声を拾うために職場の意見を募り
ました。寄せられた多くの意見から見えてき
たのは、これまでの施設整備に加え、利用す
るまでの負担の重さや、空き状況がリアルタ
イムで分からないといった使い勝手にも課題
があり、制度の利用促進には利便性の向上の
視点が求められるということでした。
*1:見える化通信vol.80「病児・病後児保
育の充実「37・5℃の壁」を乗り越えるため
に」
*2:2018年度 実施か所数2,886
か所(2016年比660か所増)、利用児
童数延べ110万人(同49万人増)
【政策を補強 具体的な声を国に届ける】
その翌年となる2018年に政策を補強。厚
生労働省との政策協議では、施設を利用する
までに何が障壁となっているのか、当事者の
声を具体的に伝えた上で、利用者の視点から
利便性の向上を図ってほしいと求めました
(図表1)。
そして、その打開策の一つとして、施設の予
約や空き状況の確認、あるいはキャンセル待
ち対応などのやり取りをICT化すれば利便
性が高まるのではないか、と要望しました。
また矢田わか子参議院議員とも連携し、国会
で組合員の声を代弁し病児保育の充実と改善
を訴えてもらい、少子化担当大臣から「事業
に取り組む市町村をしっかりと支援をしてい
きたい」との前向きな答弁を引き出すことが
できました。
【ついに実現今後は地方議員とも連携へ】
そして今年1月、こうした取り組みが実を結
び、病児保育事業のICT化に向けた国の補
助事業が新設されました(「保育所等におけ
るICT化推進事業」の一環)。具体的には、
①市町村が管内の病児保育施設等の空き状況
をリアルタイムに確認するためのシステムを
構築する場合、補助基準額800万円(国1/2、
市町村1/2)、②病児保育施設等がシステムを
構築し、市町村のシステムと連携して予約・
キャンセル等を実施する場合、補助基準額1
00万円(国1/2・市町村1/4・事業者1/4)、
を助成するものです(図表2)。各自治体で
このシステムが運営されれば、これまで課題
となっていた利用者自身が何度も電話して施
設に空き状況を問い合わせて予約を行うとい
った負担が軽減され、アプリ等でスムーズに
行うことができ、まさに利用者の利便性が大
きく向上します。
10月時点での申請自治体数は20件程度に留ま
っています。今後は、各自治体で着実にシス
テム導入が進むよう新事業の周知徹底を国に
要望するとともに、電機連合としても、国会
議員や地方議員とも連携して、各自治体への
働きかけを含め、引き続き取り組みを進めて
いきます。
【電機連合千葉地方協議会】
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