活動紹介

2018年04月05日

『電機連合@見える化通信』Vol.86

社会保障の負担を考える「取り易いところから取る」でいいの?

『電機連合@見える化通信』Vol.86

社会保障の負担を考える
「取り易いところから取る」でいいの?

電機連合の活動の中に「産業政策・社会政策」の取り組
みがあることを知っていますか?
産業政策は電機産業や日本をより豊かに発展させるため、
社会政策は暮らしや生活をより良くするための取り組み
です。
私たちの周りには様々な問題があり、その中には、個別
企業労使の話し合いだけでは対応しきれないものも多数
存在します。
電機連合は働く者の立場から、自らに関係する課題につい
て政策・提言をまとめ、政府や省庁などと意見交換を行い
、政策実現を目指しています。
『電機連合@見える化通信』では、何となく小難しくて
見えづらい政策課題について、その中身を少しずつご紹
介していきます。

社会保障の負担を考える
「取り易いところから取る」でいいの?

高齢化の進行等により、年金、医療、介護といった社会
保障給付費は2000年の78.4兆円から1.5倍に増えて今や
120.4兆円(2017年度予算ベース)に上ります。
この給付費を支える財源が、消費税や所得税といった税
と、年金保険や健康保険などの社会保険料です。
今回は社会保障の「負担」について掘り下げて考えます。

○高齢化率に対して高くない日本の国民負担率!
「国民負担率」という言葉をご存知でしょうか?消費税
 や所得税、住民税など国と地方を合わせた税の負担
(租税負担)と、年金保険や健康保険などの社会保険料
 負担(社会保障負担・労使)の合計が、国民所得に占
 める割合を国民負担率といいます。
 今年2月、財務省はこの負担率の2018年度見通し
 が42・5%になると発表しました。
 
 国民負担率を国際的にみるとどうでしょうか。
 主要先進国で比べると、高福祉・高負担といわれるデ
 ンマークは65・8%と高く、逆に低福祉・低負担とい
 われる米国は33・3%と低くなっています。
 
 その中で日本は27・3%と最も高齢化が進行し、医療
 や介護など社会保障給付費が増大している中にあって
 必ずしも高い負担とは言えません。

○消費税率引上げ延期の一方で増え続ける社会保険料負担!
 次に国民負担率の推移を、租税負担率と社会保障負担
 率とに分けてみてみます。

 租税負担率は1970年度の18・9%からバブル期の
 1990年度には27・7%に達しましたが、2018
 年度は24・9%の見通しです。
 1970年度と比較しても約1・3倍の伸びに留まっ
 ています。
 
 他方、社会保障負担率は一貫して上昇し、2018年
 度では17・6%と、1970年度の5・4%から
 約3・3倍に増大しています。

 こうした税や社会保険の仕組みは法律で定められ、
 それらを決めるのは政治です。
 消費税率の引上げが繰り返し国政選挙の争点となり
 2度にわたって延期される一方で、多くの国民が気付
 かないままに社会保険料の負担が増え続けています。
 「取り易いところから取る」負担でいいのでしょうか

○一体改革の着実な推進、そして負担の国民的論議を!
 団塊世代がすべて75歳になる2025年、社会保障給
 付費は今から30兆円ほど増えて約150兆円になる見
 通しです。
 一方で制度を支える現役世代は2025年には650
 0万人と2013年に比べ730万人も減少すると言
 われています。
 超少子高齢社会の下、現役世代など特定の世代に過度
 に負担を強いることなく、広く国民全体で負担を分か
 ち合うことが求められます。
 
 2012年、民主党・自民党・公明党の三党合意の末
 に決まった社会保障と税の一体改革に沿って、まずは
 消費税率を着実に引き上げること。そして、今後も社
 会保障制度を持続可能なものにし責任を持って次世代
 に引き継ぐために、社会保障給付費の負担をどう分か
 ち合うのか、限られた財源のなかでどの政策を優先す
 るのか、国民的な論議が求められます。

【第25回参議院議員選挙 組織内公認候補予定者】
 電機連合 顧問 参議院議員 石上 としお 
 http://ishigamitoshio.com/

【電機産業で働く私たちの代表】
 電機連合 顧問 参議院議員 矢田 わか子
 http://yatawaka.com/
 電機連合 顧問 衆議院議員 浅野 さとし
 https://www.asanosatoshi.com/#page1

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