2018年03月08日
電機連合 No.2政策ニュース
【社会】できていますか? “取引先=パートナー”との『価値共創』
電機連合 No.2政策ニュース
【社会】できていますか?
“取引先=パートナー”との『価値共創』
■「付加価値の適正循環」は、サプライチェーンの
各プロセスを担うそれぞれの企業において適切に
付加価値を確保し、それを人への投資、設備投資、
研究開発投資に用いることにより、強固な国内事
業基盤と企業の持続可能性を図る重要な取り組み
です。
■加盟組合からは、企業間・官公庁を含む取引にお
いて、頻繁な仕様変更に対して支払いがなされな
い、などの声が上がっています。
■昨年3月に、電機産業業界団体から「適正取引の
推進とパートナーとの価値協創に向けた自主行動
計画」が公表され、会員企業での実践が進められ
ています。
<中小企業庁による自主行動計画フォローアップ
調査(電機業界)では…>
●取引の適正化の対応状況
・原価低減要請は89%が改善済。
・型管理の適正化は、
①保管期間を過ぎた型の返却や廃棄は86%が実施
済または実施中
②型の保管費用の負担は72%が実施済または実施中。
・手形サイトについては、60日以内が4%、90日以
内が20%、120日以内が76%であまり改善が見られず。
●変動分の価格反映が「概ねできている」と回答した割合
(発注側) (受注側)
○労務費 70% 32%
○エネルギー価格 74% 32%
○原材料価格 81% 28%
{出所}中小企業庁「未来志向型の取引慣行に向けて」
に係る自主行動計画フォローアップ調査の結果
概要(2017年12月)
(電機・情報通信機器製造業196社のアンケート回答より抜粋)
⇒原価低減要請や型管理の適正化には改善が浸透しつ
つある一方、支払サイトの短縮は見られない。
⇒労務費、エネルギー価格、原材料価格の変動分の価
格反映には受注側と発注側の意識に大きなギャップ有。
【電機連合の秋季期間アンケート・ヒアリングでは…】
(アンケート回答 119組織、ヒアリング6組織)
約80%が自主行動計画を知っていると回答し、好事例が
見られるものの、不十分な事例も存在。
<好事例>
・下請け業者への支払い条件を変更し、全額現金払いと
した。
・金型の保管費用・保守費用は、下請事業者と合理的な
価格を決定し、当社が負担。
・下請法順守委員会を組織化しており、定期的な会議を
通じ情報の共有、課題検討を実施している。
<現場の声>
・適正取引、金型管理、支払条件に改善が見られるもの
の、支払サイトが120日を超えるなど一部にまだ課題が
ある。
・上流で発生した不合理な価格低減要求などの不適切な
取引は下流に伝播する。
・政府IT調達において、仕様変更が重なっても対価を請
求しにくい。また、短納期を設定され、長時間残業が
発生する。
<公正取引委員会による勧告例>
・下請業者に対し、販売促進のための「特別協力金」の
名目で支払った代金の一部を振り込ませ、下請代金約
1億1,880万円を不当に減額。
・顧客から値引き要請を受けたことを理由として、下請
事業者に対して当該部品の下請代金の額から一定額を
値引きするよう要請し、「顧客からの値引き要請を理
由とする値引き」として、下請代金の額から一定額を
差し引くなどし、下請代金約4,807万円を不当に減額。
・コストダウンの協力を求める「一時金」を下請代金の
額から差し引いたり、部品の単価を引き下げた際に発
注後の商品にも遡って新価格を適用するなどし、下請
代金約2億4,977万円を不当に減額。
※独占禁止法・下請法に基づく適正取引の遵守はコンプ
ライアンスの観点からも重要です。違反した場合、公
正取引委員会より勧告を受け、社名が公表されます。
<<電機連合としての見解・取り組み>>
すべてのサプライチェーンで適正に取引が行われること
は、電機産業発展のために重要です。コンプライアンス
の遵守は当然のことながら、工業会による「適正取引の
推進とパートナーとの価値協創に向けた自主行動計画」
を参考にしながら、根拠のない一律的な値引き交渉、取
引先に一方的に金型の維持費・管理費負担を求めるなど、
不適切な取引が発生していないか労使で実態を把握し、
改善を進めましょう。
【第25回参議院議員選挙 組織内公認候補予定者】
電機連合 顧問 参議院議員 石上 としお
http://ishigamitoshio.com/
【電機産業で働く私たちの代表】
電機連合 顧問 参議院議員 矢田 わか子
http://yatawaka.com/
電機連合 顧問 衆議院議員 浅野 さとし
https://www.asanosatoshi.com/#page1