2018年03月07日
電機連合 No.1政策ニュース
【社会】所得税法改正「会社員を狙い撃ち?小手先ではなく改革の全体像を」
電機連合 No.1政策ニュース
【社会】所得税法改正「会社員を狙い撃ち?
小手先ではなく改革の全体像を」
■現在会期中の196回国会には、私たち会社員に関係する
「給与所得控除」の縮小を含む「所得税法等改正法案」が
提出されています。
<給与所得控除とは?>
◆会社員が所得税を納める際には、税負担を軽減する仕組
み(控除)があります。その一つが勤務に必要なスーツ代
や新聞代など経費にあたる部分を差し引く「給与所得控
除」です。収入に応じて概算で控除されます。
※フリーランスなど個人事業主の場合は、事業収入となり、
給与所得控除ではなく、必要経費を実費で差し引きます。
【所得税を算出する際の控除のしくみ】
①給与収入から経費(給与所得控除)を差し引き「給与所得
金額」を算出。収入に応じて控除額が異なり、最低65万円
から最高で220万円まで。
②給与所得金額から基礎控除(一律38万円)やその他の控除
(扶養控除・社会保険料控除など)を差し引き、「課税所得
金額」を算出。
③課税所得金額に応じて「税率」をかける。
④住宅ローン控除などの「税額控除」を差し引き、「納付税額」
を算出。
<見直し(案)の主な内容(2020年~)>
◆政府は最近増えているフリーランスなど個人事業主の人達
との税制上の格差を是正し「働き方の多様化を後押しする」
として、以下の内容を見直す方針です。
■給与所得控除を一律10万円引き下げて、基礎控除を一律
10万円引き上げる。
■給与所得控除の上限対象の年収を、現行の1000万円超から
850万円超に引き下げ、あわせて控除額の上限を220万円か
ら195万円に引き下げ。
※22歳以下の子どもや介護が必要な家族がいる人は対象外
給与所得控除は近年、度重なる水準の引き下げが行われて
おり、政府は「引き続き見直しを継続していく」としてい
ます。
【今後、会社員の増税は中間層にまで波及する可能性あり】
<クロヨンにグレーゾーン問題棚上げ?>
■給与所得控除の水準は、クロヨン問題(※)と呼ばれる所
得自体の把握が難しい個人事業主との「差」を埋める為
に上乗せして調整してきた経緯があります。
■個人事業主の場合、自動車、飲食費、自宅家賃など仕事
に関係するものであれば経費として認められます。
どうしても公私の境界線が曖昧(グレーゾーン)にな
りがちです。
※クロヨン問題とは給与所得者が課税所得のほぼ9割を捕
捉されるのに対し、個人事業主は6割、農業所得者は4
割しか捕捉されない問題。
今回の見直しは「働き方の多様化」への対応という名目に
より、クロヨンやグレーゾーン問題など検証がされないま
まに進められました。
●税負担増の多くを一部の給与所得者に安易に求めること
は、税制に対する公平感を損なうことが懸念されます。
●政府は小手先の見直しではなく改革の全体像を示した上
で、所得把握を改善するための環境整備や、金融所得課
税の強化など、公平な税制の実現に向けて取り組むこと
が求められます。
【第25回参議院議員選挙 組織内公認候補予定者】
電機連合 顧問 参議院議員 石上 としお
http://ishigamitoshio.com/
【電機産業で働く私たちの代表】
電機連合 顧問 参議院議員 矢田 わか子
http://yatawaka.com/
電機連合 顧問 衆議院議員 浅野 さとし
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