2018年03月06日
『電機連合@見える化通信』Vol.85
「外国人技能実習制度の適正化に向けた見直しその実行性が問われる!!」
『電機連合@見える化通信』Vol.85
「外国人技能実習制度の適正化に向けた見直し
その実行性が問われる!!」
電機連合の活動の中に「産業政策・社会政策」の取り組
みがあることを知っていますか?
産業政策は電機産業や日本をより豊かに発展させるため、
社会政策は暮らしや生活をより良くするための取り組み
です。
私たちの周りには様々な問題があり、その中には、個別
企業労使の話し合いだけでは対応しきれないものも多数
存在します。
電機連合は働く者の立場から、自らに関係する課題につい
て政策・提言をまとめ、政府や省庁などと意見交換を行い
、政策実現を目指しています。
『電機連合@見える化通信』では、何となく小難しくて
見えづらい政策課題について、その中身を少しずつご紹
介していきます。
「外国人技能実習制度の適正化に向けた見直し
その実行性が問われる!!」
日本で働く外国人労働者は2017年10月末で1,278,670人
となり、過去最高を更新しました。
外国人労働者の受け入れは、人口減少による労働力不足
の対応策として注目され、政府でも受け入れ拡大に向け
た議論がされています。
今回は、外国人労働者の受け入れ制度の一つである外国
人技能実習制度の課題と見直しの内容について迫ります。
○外国人技能実習制度とは?
外国人技能実習制度は、1993年に「研修・技能実
習制度」として創設され、開発途上国等への技能移転
という国際貢献を目的としています。
しかし、技能実習生を低賃金労働者として扱うなどの
事案が多発したことから、2010年に日本人と同等
以上の報酬や、保証金等の不当な徴収の禁止を規定し
た「外国人技能実習制度」として改正されました。
技能実習生は2017年10月末で、257,788人
(前年同期比46,680人増)となり、外国人労働
者全体の2割を占めています。
また、受け入れ職種は77種類139作業あり、ベトナ
ム、中国からの技能実習生が多いです。技能実習生を
受け入れる仕組みは、日本企業が海外の現地法人等か
ら直接受け入れる「企業単独型」と、非営利の監理団
体(事業協同組合、商工会等)が仲介する「団体監理
型」の2種類がありますが、ほぼ全てが「団体監理型」
(96・4%)となっています。
○技能実習生の権利保護?
長時間労働や保証金の不正徴収、受け入れ機関による
人権侵害などが後を絶たない他、取締機関である国際
研修協力機構(JITCO)の調査では技能実習生の
平均賃金は約12万円と高卒初任給より4万円も低い水
準にあるなど、技能実習生の権利保護には大きな課題
があります。
そのため、技能実習生の保護及び技能実習の適正な実
施を図るために外国人技能実習制度は2016年11月
に見直され、2017年11月に施行されました。
図2は改正内容の概要です。
これまでは、監理団体の義務、責任が不明確であり、
JITCOにも法的権限がなく、実習生の保護体制が
不十分でした。制度の改正により、「外国人技能実習
機構」が新設されるとともに、法的権限が付与され、
人権侵害行為等に対する監督、指導が実行されています。
また、実習実施者は技能実習生一人ひとりについての
実習計画を作成し、機構からの認定を受けることが必要
になりました。さらに、監理団体の設立には、機構に
よる審査のうえ、主務大臣の許可が必要になりました。
一方で、実習期間3年、受け入れ先の常勤職員総数の
最大5%だった人数枠が、優良な受け入れ機関(*)
については5年、最大10%となりました。その他にも、
受け入れ職種に介護職が追加されました。
(*)優良な監理団体とは、法令違反がないことよりも、
技能評価試験の合格率、指導・相談体制等について、
一定の要件を満たした監理団体及び実習実施者をいう。
○適正な制度運用のために!
今回見直された制度が確実に実行され、技能実習生が
適切に保護される必要があります。
連合は、外国人技能実習制度が、低賃金労働者として
扱われることや人権侵害、過労死などを発生させない
ために、制度本来の目的に沿った形で運用されること
を求めています
【第25回参議院議員選挙 組織内公認候補予定者】
電機連合 顧問 参議院議員 石上 としお
http://ishigamitoshio.com/
【電機産業で働く私たちの代表】
電機連合 顧問 参議院議員 矢田 わか子
http://yatawaka.com/
電機連合 顧問 衆議院議員 浅野 さとし
https://www.asanosatoshi.com/#page1