2017年08月01日
『電機連合＠見える化通信』Vol.78 「税収が見通しから2.1兆円も大きく下振れ」
～見通しと実績のチェックで政策評価を！～
『電機連合＠見える化通信』Vol.78
「税収が見通しから2.1兆円も大きく下振れ」
～見通しと実績のチェックで政策評価を！～
電機連合の活動の中に「産業政策・社会政策」
の取り組みがあることを知っていますか？
産業政策は電機産業や日本をより豊かに発展さ
せるため、社会政策は暮らしや生活をより良く
するための取り組みです。
私たちの周りには様々な問題があり、その中に
は、個別企業労使の話し合いだけでは対応しき
れないものも多数存在します。
電機連合は働く者の立場から、自らに関係する
課題について政策・提言をまとめ、政府や省庁
などと意見交換を行い、政策実現を目指してい
ます。
『電機連合＠見える化通信』では、何となく小
難しくて見えづらい政策課題について、その中
身を少しずつご紹介していきます。
「税収が見通しから2.1兆円も大きく下振れ」
～見通しと実績のチェックで政策評価を！～
2016年度の国の税収は７年ぶりに減少するとと
もに、当初の見通し額から約2.1兆円と大きく
下振れしました。見通し額を下回るのは２年連
続となります。金融緩和、財政政策、成長戦略
の３本の矢で経済を成長させ、税収全体を引き
上げるというアベノミクスが揺らぎ始めています。
〇７年ぶりに税収減 ▲８千億円
７月６日に財務省が発表した２０１６年度の国
の決算によると、税収は55・5兆円と前年度比で
約８千億円減りました。税収が前年度を下回る
のはリーマン・ショック後に38兆円まで落ち込
んだ09年度以来７年ぶりです。しかも、税収の
約８割を占める所得税、消費税、法人税のいわ
ゆる「基幹３税」がそろって減収となりました。
これも７年ぶりのことです。
大きく減ったのが法人税です。
法人税収は10・3兆円と前年度比で約５千億円も
減らしています（所得税収、消費税収はそれぞ
れ約２千億円減）。これは、第２次安倍政権が
発足した12年度以来の低水準です。第２次安倍
政権は発足以降、企業業績の回復による法人税
収の伸びで税収全体を押し上げてきましたが、
ここにきて発足時の水準に戻ってしまいました。
報道によれば、主な要因は16年度前半の円高です。
対ドルで昨年６月には一時90円台をつけました。
円高が進めば、企業が海外で稼いでも円換算し
た利益は目減りします。また企業活動のグロー
バル化が進む中、海外で稼いだ利益は現地でも
課税されるため、二重課税を防ぐために軽減措
置を受けられることから、日本の税収押し上げ
につながりにくい状況が生まれているとの指摘
もあります。個人消費の回復を軸とした内需拡
大による景気回復が望まれます。
〇見通しから2.1兆円も大きく
下振れ政府の政策に揺らぎ？
政府の見通しの甘さも指摘されています。
予算編成時の税収見通し額と比べると2・1兆円
も下振れし、見通しと実績が大きくかい離しま
した。税収が見通し額を下回るのは２年連続で
すが、２０１５年度が１千億円の下振れだった
のに比べると、今回のかい離は大きいです。
日本はバブル崩壊後の景気対策で出費が増え、
１９９２年度から毎年国債を発行して借金が膨
らみ続けています。そこで、政府は２０２０年
度にプライマリーバランス（＊）を黒字にする
目標を掲げ、成長戦略や規制緩和などで企業収
益を増やし、税収全体を引き上げる政策を描い
ていますが、揺らぎが生じています
＊基礎的財政収支。財政の健全度を示す指標で、
社会保障や公共事業等の政策に使う経費を
どのくらい税収でまかなえているかを示す指標。
〇見通しと実績のチェックで政策評価を！
政府は２０１７年度の税収見通し額を57・7兆
円とし、16年度よりも2・2兆円多い強気の見通
しを維持していますが、実現可能性には極めて
懐疑的です。政府の見通しと実績をチェックす
ることは、政策の妥当性や進捗状況を見極める
一つの指標となります。
引き続き、丹念なチェックをしていく必要が
あります。
【第48回衆議院議員選挙】
〇電機連合組織内公認候補「浅野さとし」
https://www.asanosatoshi.com/#page1
【電機産業で働く私たちの代表】
○衆議院議員（茨城第５区）
大畠 章宏 議員
http://www.oohata.com/
○参議院議員（比例区）
石上 俊雄 議員
http://ishigamitoshio.com/
