2017年06月07日
『電機連合@見える化通信』Vol.76
「介護ロボット導入支援に向けた政策支援と安定的な財源の確保」
『電機連合@見える化通信』Vol.76
「介護ロボット導入支援に向けた政策支援と
安定的な財源の確保」
電機連合の活動の中に「産業政策・社会政策」
の取り組みがあることを知っていますか?
産業政策は電機産業や日本をより豊かに発展さ
せるため、社会政策は暮らしや生活をより良く
するための取り組みです。
私たちの周りには様々な問題があり、その中に
は、個別企業労使の話し合いだけでは対応しき
れないものも多数存在します。
電機連合は働く者の立場から、自らに関係する
課題について政策・提言をまとめ、政府や省庁
などと意見交換を行い、政策実現を目指してい
ます。
『電機連合@見える化通信』では、何となく小
難しくて見えづらい政策課題について、その中
身を少しずつご紹介していきます。
「介護ロボット導入支援に向けた政策支援と
安定的な財源の確保」
厚生労働省の推計によると団塊世代が75歳以上
の後期高齢者になる2025年には介護労働者が今
より100万人多く(237万人~249万人)必要に
なるとされており、介護人材確保が急務となっ
ています。
○介護人材の不足
介護職は体の自由が利かなくなった方の日常
生活の手助けを行うこともあり、体力的に負
担が大きい仕事です。また、有効求人倍率は
2.59と、全職業平均1.08を大きく上回ってい
ますが、一方で、7割以上が3年未満で離職し
ています。
産業平均月給と比較し月10万円も低い労働環
境等が離職に拍車を掛けています。
○介護人材確保に向けた政策
政府は、「ニッポン一億総活躍プラン」を踏
まえ、2020年代初頭までに約25万人の新たな
介護人材の確保に向けて総合的に取り組んで
いくこととしています。具体的には下記の通
りです。
①2017年度からキャリアアップの仕組みを構
築し、月額平均1万円相当の改善
(最大加算37,000円)
②介護福祉士を目指す学生が一定期間就労し
た場合に返還を免除する修学資金貸付制度
③再就職準備金貸付制度の更なる充実、高齢
人材の活用等
④介護ロボットの活用促進やICT 等を活用。
行政が求める帳票等の文書量の半減。
○介護ロボット導入への価格の壁
介護人材不足対策として、介護ロボットが注
目を浴びています。介護ロボット利用につい
ては米国、英国、ドイツの50~60代の利用意
向が著しく低くなるのに対して日本は比較的
高く介護ロボットの活用に対して受容性があ
ることがうかがわれます。
また、利用しないと回答した人に理由を訪ね
ると日本では「価格が高いと思うから」が最
も高くなります。
導入拡大には「価格が高い」という課題を払
拭していく必要があります。
○介護ロボットの利用促進策
政府は介護ロボットの利用促進策として2015年
度の補正予算に52億円を計上しました。
介護ロボットを導入する施設等に対して300万
円を上限に補助するものでしたが、応募者多
数のため90万円に引き下げられました。
この制度は、単年度のみの補助金で終わって
おります。介護ロボットへの高い期待に対応
するために、補助金の増額や更に継続的な支
援制度が求められます。
○メーカーと介護現場ニーズのミスマッチ解消を
高齢者をベットから起こしたり入浴介助した
りするときの介護スタッフへの腰の負担が深
刻で、その負担軽減のために装着型介護ロボ
ットが開発されています。
しかしながら、介護される側からは、「人の
手で持ち上げられるのは痛いから嫌だ」、
「早くトイレに行きたい時に装着に時間がかかる」
といった声が出ており、素晴らしい技術を介
護に活かすためには、メーカー側と介護現場
のニーズのミスマッチ解消が必要です。
製品開発に際しても、顧客ニーズとメーカー
の技術開発が連携できる「出会いの場」づく
りが重要となっています。
●● 電機連合の政策 ●●
※介護ロボット等導入支援に向けた安定的な
財源の確保。
※製品開発に際し、顧客のニーズとメーカー
の技術開発が連携できる「出会いの場」づ
くりを促進する。
【第48回衆議院議員選挙】
〇電機連合組織内公認候補「浅野さとし」
https://www.asanosatoshi.com/#page1
【電機産業で働く私たちの代表】
○衆議院議員(茨城第5区)
大畠 章宏 議員
http://www.oohata.com/
○参議院議員(比例区)
石上 俊雄 議員
http://ishigamitoshio.com/
○参議院議員(比例区)
矢田 わか子 議員
http://yatawaka.com/