2017年04月10日
『電機連合@見える化通信』Vol.74「社会全体で子育てを支えよう!」
~ 待機児童問題を考える ~
『電機連合@見える化通信』Vol.74
「社会全体で子育てを支えよう!」
~ 待機児童問題を考える ~
電機連合の活動の中に「産業政策・社会政策」の
取り組みがあることを知っていますか?
産業政策は電機産業や日本をより豊かに発展させる
ため、社会政策は暮らしや生活をより良くするため
の取り組みです。
私たちの周りには様々な問題があり、その中には、
個別企業労使の話し合いだけでは対応しきれないも
のも多数存在します。
電機連合は働く者の立場から、自らに関係する課題
について政策・提言をまとめ、政府や省庁などと意
見交換を行い、政策実現を目指しています。
『電機連合@見える化通信』では、何となく小難し
くて見えづらい政策課題について、その中身を少し
ずつご紹介していきます。
“ 社会全体で子育てを支えよう! ”
~ 待機児童問題を考える ~
「保育園落ちた日本死ね」のブログから1年。
今年も全国各地で認可保育園に入れなかった保護者
から「もっと保育園を増やしてほしい」との切実な
声があがっています。
新年度を迎えてもなお、親たちの「保活」は続いて
います。
○なぜ待機児童は解消されないのか?
政府は2013年に「待機児童加速化プラン」を策定
し、13~15年度で約31.4万人分の受け皿を確保し
ましたが、ここ数年待機児童は2万人超で推移し
待機児童の解消は厳しい状況です。
その背景には共働き世帯の増加があり、子どもが
産まれてからも仕事を続けるライフスタイルが浸
透してきていること、さらには非正規雇用が増え
るなど夫婦で働かざるをえない状況もあります。
また待機児童の約7割が都市部に集中しています。
そのため自治体が新たに認可保育園を作ろうとし
ても都市部では用地不足に悩まされています。
その他に、財源や保育士不足、住民の反対などで
新しい保育園が作れないなどの要因が挙げられます。
○切れ目のない保育のための対策!
こうした中、厚生労働省は2016年9月に待機児童
解消に向けたさらなる取り組みとして、「切れ目
のない保育のための対策」を取りまとめ、その対
策費用は2017年度予算に盛り込まれました。
今後は実施主体である市町村で、実効性ある取り
組みが展開されることを注視していく必要があり
ます。
【主な切れ目のない保育のための対策】
・保育園設置の際の地域住民との合意形成などを
行う「地域連携コーディネータ」の機能強化
・保育士のベースアップを中心とした処遇改善
・0歳児期の育児休業終了後の「入園予約制」の
導入支援
・地域における保育園などの保育サービスに関す
る情報提供などを行う「保育コンシェルジュ」
の展開
○最大2歳まで育休延長へ キャリアへの懸念!
さらに政府は待機児童対策として育児休業の延長
を盛り込んだ育児・介護休業法の改正法案を国会
に提出し、3月31日に法案が成立しました。
現行の育児休業は「子どもが1歳になるまで」が
原則で、保育所に入れないなど特別な場合に「1
歳6カ月まで」となっていますが、さらに延長を
可能とし「最大2歳」とする内容です
(施行日2017年10月1日)。
保育園に入れず退職をやむなくされる人にとって、
育休延長はセーフティーネットとして重要です。
しかし、育休の取得率が女性は8割を超えている
のに対し、男性の取得率はわずか2.65%。
こうした状況を放置したまま延長だけが進めば、
そのしわ寄せは女性だけに偏ってしまいます。
○社会全体で子育てを支える!
子育て環境の整備を進めるために必要となってく
るのが財源です。
社会保障と税の一体改革以降、子育て支援への財
源は確保されつつあるものの、日本の子育て支援
を含む家族関係支出は極めて少なくGDP比1.25%。
欧州諸国と比べておよそ4割程度に留まっています。
社会全体で子育てを支えるという理念の下、子育
て支援への安定的な財源をさらに確保し、“いつ
でも”安心して子どもを預けることができる環境
を整えることは急務です。
【第48回衆議院議員選挙】
電機連合組織内公認候補「浅野さとし」
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【電機産業で働く私たちの代表】
○衆議院議員(茨城第5区)
大畠 章宏 議員
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○参議院議員(比例区)
石上 俊雄 議員
http://ishigamitoshio.com/
○参議院議員(比例区)
矢田 わか子 議員
http://yatawaka.com/