2017年02月06日
『電機連合@見える化通信』Vol.72「ビッグデータ活用の更なる環境整備を!」
『電機連合@見える化通信』Vol.72
「ビッグデータ活用の更なる環境整備を!」
電機連合の活動の中に「産業政策・社会政策」の
取り組みがあることを知っていますか?
産業政策は電機産業や日本をより豊かに発展させる
ため、社会政策は暮らしや生活をより良くするため
の取り組みです。
私たちの周りには様々な問題があり、その中には、
個別企業労使の話し合いだけでは対応しきれないも
のも多数存在します。
電機連合は働く者の立場から、自らに関係する課題
について政策・提言をまとめ、政府や省庁などと意
見交換を行い、政策実現を目指しています。
『電機連合@見える化通信』では、何となく小難し
くて見えづらい政策課題について、その中身を少し
ずつご紹介していきます。
“ビッグデータ活用の更なる環境整備を!”
ビッグデータを社会的課題の解決や新産業の創造に
積極的に活用する動きが進んでいますが、その推進
にあたっては個人情報の取り扱いルールを整備する
ことが必要不可欠です。
○個人情報保護法の改正!
日本では2003年に個人情報保護法が制定され、個
人情報を取り扱う事業者には、利用目的の特定・
公表や適正な管理、本人同意を得ないまま第三者
へ提供することを禁じるなど、様々な義務が課せ
られました。
ただ、その後の情報通信・処理技術の進展により
位置情報や行動記録、購買履歴など個人の行動や
状態等に関するデータを、商品やサービスの開発
や販売促進へ活用する動きが、急速に広がってき
ました。
こうしたデータを個人情報とは切り分け、パーソ
ナルデータ(※)としてより活用しやすくするた
めに、2015年9月に法改正が行われ、今年5月から
施行されます。
(※)ある特定の個人に関連する情報やデータの内
それ自体は単体では個人の特定・識別に繋が
らず、かつ、個人を識別するための情報に紐
付けられていないもののこと。
今改正のポイントの一つは、個人を特定できない
ように加工すれば、本人の同意を得なくても活用
できるようになる点です。
解釈や事例を示した指針(ガイドライン)によれ
ば、生年月日や症例数の極めて少ない病歴を削除
したり、例えば年齢が「116歳」という情報を
「90歳以上」に置き換えたりすれば、本人同意
を得ずに利用できます。
しかしながら指針により事例が示されているとは
いえ、まだどこまで伏せれば「個人情報」となら
ないか戸惑うケースもあり、今後、相談体制の充
実や指針の継続した見直しが求められます。
○更なるデータ活用のために!
国内におけるデータの利用ルールの整備は進んで
いますが、事業活動のグローバル化が進む中で、
国境を越えてやり取りされるデータを適切に保護
する環境整備も課題となっています。
今のところ、データを公正に扱う共通の国際ルー
ルはなく、国や地域で独自のルールを作っていま
す。
例えばEUでは、個人を特定できるクレジットカー
ド情報などの個人データを巡って「保護措置が十
分」と認めた国以外へのデータ移転を厳しく規制
しています。
日本も現在EUから「保護措置が十分」と認められ
ていませんが、2017年中に進められる予定の協議
の中で適切な説明と仕組みに関する検討を進め、
円滑に個人データを移転できるようにしていかな
ければいけません。
またAIが実用段階に入る中、個人の性向を自動解
析する「プロファイリング」を巡り新たな課題が
生まれています。
実際に、別々に集めたビッグデータの中から特定
の個人の情報を結びつけ、顧客の購買履歴から出
産予定日を予測して広告を個別に送り批判を受け
た事例も生じています。
プライバシーや差別、人権侵害をもたらすことが
無いよう、技術の進展に合わせた継続的な法整備
が必要です。
電機連合では、個人情報保護とデータ利活用の一
体的運用を図るための体制、法制度を整えること
個人情報保護についてEU・アメリカとの整合性を
確保し、国際間のデータ移動がスムーズに行われ
るようにすることを求めています。
●● 電機連合の産業政策 ●●
※個人情報保護とデータ利活用の一体的運用を図る
ための体制、法制度を整える。
※個人情報保護については、EU・アメリカとの整
合性を確保し、国際間のデータ移動がスムーズに
行われるようにする。
【第48回衆議院議員選挙】
電機連合組織内公認候補「浅野さとし」
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