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活動紹介

2017年01月24日

『電機連合@見える化通信』Vol.71「配偶者控除の見直しで女性の働き方は変わる?」

『電機連合@見える化通信』Vol.71
「配偶者控除の見直しで女性の働き方は変わる?」

電機連合の活動の中に「産業政策・社会政策」の
取り組みがあることを知っていますか?

産業政策は電機産業や日本をより豊かに発展させる
ため、社会政策は暮らしや生活をより良くするため
の取り組みです。

私たちの周りには様々な問題があり、その中には、
個別企業労使の話し合いだけでは対応しきれないも
のも多数存在します。

電機連合は働く者の立場から、自らに関係する課題
について政策・提言をまとめ、政府や省庁などと意
見交換を行い、政策実現を目指しています。

『電機連合@見える化通信』では、何となく小難し
くて見えづらい政策課題について、その中身を少し
ずつご紹介していきます。

‟配偶者控除の見直しで女性の働き方は変わる?”

2017年度税制改正大綱が昨年12月22日に閣議決定さ
れました。1月からの通常国会で、この大綱をもと
に税制改正関連法案が提出される予定です。

今回最大の焦点となったのが配偶者控除の見直しです。
曲折を経て、政府・与党は2018年1月から配偶者控除
の適用対象年収を、現在の103万円から150万円に引き
上げる方針を決めました。

配偶者、とりわけ女性の働き方は変わるのでしょうか?

○求められる社会の変化への対応!
配偶者控除とは配偶者(妻)の年収が103万円以下であ
れば、世帯主(夫)の給与所得から38万円を控除して
所得税額を減らすことができる制度。

高度経済成長の真っ只中の1961年、専業主婦世帯が
主流の中、妻の「内助の功」に配慮して創られまし
た。創設から半世紀が経ち、働き方や家族の有り様
は大きく変化しています。1997年には共働き世帯が
専業主婦世帯を逆転し、その差は拡大し続けています。

また夫婦と子どものいる世帯は減少する一方で、
単身世帯や母子世帯等の一人親世帯が増加。働き方
やライフスタイルが多様化するなか、その選択に対
して中立的な税制を構築することが求められている
のです。

○小手先の見直しに…!
こうした背景の下、女性の就労促進など「働き方改
革」の一環として、政府税制調査会を中心に所得課
税の見直し論議が進められてきました。

そこで示された配偶者控除の見直し案は?@配偶者控
除の廃止、?A移転的基礎控除の導入、?B夫婦控除の
導入の3案で、有力視されていたのが夫婦であれば
働き方を問わずに適用する夫婦控除でした。

しかしその後、与党税制調査会は3つの案をいずれ
も見送り、配偶者控除の年収上限(103万円→150万円)
の引上げという小手先の見直しに留まりました。

○女性の働き方は変わるのか?
今回の見直しで女性の働き方は変わるのでしょうか。
いわゆる「103万円の壁」は税制上の壁ですが、1987
年に導入された配偶者特別控除により、給与収入が
103万円を超えても、141万円までは控除を受けるこ
とができ、手取りの逆転現象はすでに解消されてい
ます。

従って今回の見直しによる効果は限定的と言えそう
です。他方、就労抑制の要因には、社会保険料の負
担が発生する「130万円の壁」、さらに2016年10月
からは従業員501人以上の大企業での適用拡大によ
り、新たに発生した「106万円の壁」もあります。

また企業が支給する配偶者手当の基準も世帯の手取
り収入に影響しています。依然として就労を抑制す
る要因が残っているなか、配偶者が年収を意識して
働く実情は変わりません。


●● 持続可能な社会にむけて ●●
こうした状況を解消するためには、税制と社会保障
制度を一体で見直すことが不可欠です。

また言うまでもなく、保育や介護等のインフラ整備、
長時間労働を是正して男女ともに働きやすい環境に
していくことなども肝要です。

税制は社会保障制度等とともに、目指すべき社会に
向って、それを具現化するための手段。

人口減少・超少子高齢社会の下、持続可能な社会に
むけて政争の具にすることなく、真摯に向き合うこ
とが求められます。

【第48回衆議院議員選挙】
 電機連合組織内公認候補「浅野さとし」

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