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活動紹介

2016年10月05日

『電機連合@見える化通信』Vol.68「組合員の声から始まった、政策・制度の取り組み」 〜 障がい児(者)の保護者の両立支援 〜

『電機連合@見える化通信』Vol.68
「組合員の声から始まった、政策・制度の取り組み」
 〜 障がい児(者)の保護者の両立支援 〜

電機連合の活動の中に「産業政策・社会政策」の
取り組みがあることを知っていますか?

産業政策は電機産業や日本をより豊かに発展させる
ため、社会政策は暮らしや生活をより良くするため
の取り組みです。

私たちの周りには様々な問題があり、その中には、
個別企業労使の話し合いだけでは対応しきれないも
のも多数存在します。

電機連合は働く者の立場から、自らに関係する課題
について政策・提言をまとめ、政府や省庁などと意
見交換を行い、政策実現を目指しています。

『電機連合@見える化通信』では、何となく小難し
くて見えづらい政策課題について、その中身を少し
ずつご紹介していきます。

電機連合の政策・制度の要求項目のなかには組合員
のヒアリングを通じて立案されたものが多くあります。
今回はその一つである障がい児(者)の保護者の両立
支援をご紹介します。

○ヒアリングからみえた課題
「障がい児を育てながら懸命に働いている人がいる。
ヒアリングをしてみてはどうか」と地協から連絡を
受けたのは、介護支援ガイドライン作成にあたって
仕事と介護の両立を行っている人へのヒアリング先
を探している時のことでした。

産まれた直後に「先天性多発性関節拘縮症候群」と診
断された6歳(当時)の男の子の母親である組合員
のAさん。生活全般に支援が必要ですが、日中は息
子を児童発達支援センターに預けて短時間勤務を利
用しながら働き続けています。

育児休業中は子どもの将来が不安で悪い方向ばかり
考えていた。働くことで気持ちの切替えもでき自分
自身が明るくなれた」と働く幸せを実感しています。
ところが息子の就学にあたり壁にぶつかりました。

Aさんの住む自治体では特別支援学校の送迎バスは
小学校3年生からしか利用できず、それまでは保護
者が送迎しなければいけないことが判明。睡眠障が
いのある息子のケアで常に睡眠不足のAさんにとっ
て、毎日車で30分ほどの場所にある特別支援学校に
送迎することは肉体的にも精神的にもかなりの負担、
何より学校に送っていたら会社の始業時間には間に
合わないのです。

○就労断念、とりわけ母親に
行政の対応はどうなっているのでしょう−。現状、
障がい児への通学等の移動支援の実施は市町村の判
断に委ねられており、全国どこに住んでいても同じ
支援が受けられる、いわゆる個別給付化(義務的経費)
とはなっていません。

実施している市町村は6割弱ですが、その実態をみる
と保護者の疾病等により“一時的”に送迎が困難な
場合や、通学ルートを覚えるための訓練として
“一時的”に利用する場合に限定され、通年の利用は
認めていない自治体がほとんどです。

通学に限らず、障がい児の保護者は昼夜に及ぶ日々の
介護に加え、度重なる療育や通院、学校への付き添い
等でその負担は極めて重いのが実情です。その結果、
就労継続を断念せざるを得ないケースが、とりわけ
母親を中心として多く見受けられます。

○両立支援に向けて 連合そして国も動く
こうした現状を鑑み、電機連合は2015年の政党・省庁
との政策協議で、「障がい児(者)の保護者への支援
の強化・充実」を求めました。

その後、厚生労働省関連審議会での議論を経て、今年
5月に成立した改正障害者総合支援法の参議院厚生労
働委員会の附帯決議には「移動支援について
・・・個別給付化を含め検討すること」が付記されました。

附帯決議は法律上の拘束力はもたないものの、次の法
改正や省令・指針等の見直しの際に一定の効力がある
ものです。その動向に注視し、引き続き政策実現に向
けて取り組んでいきます。

また連合にも取り組みは波及しています。2015年度の
運動方針に障がい児(者)の保護者の両立支援策が初
めて盛り込まれました。今年7月には「障がい児・者
を支援する家族の意識と実態に関する調査」が実施さ
れ、今後は寄せられた意見を参考にしつつ、審議会等
に意見反映する予定です。

このように1人の組合員の声から歩み始めた政策が少
しずつ、しかし着実に前進しています。

○政策の源泉はリアルな職場の声から
政策・制度は決して難しいものではなく、私たちの暮
らしや生活に直結している身近な問題が起点です。
現在、電機連合は秋季組織強化期間の一環で、政策・
制度の取り組みに対する職場からの意見を募ってます。

働く者・生活者の視点から、職場だけでは解決できない
リアルな声をぜひお寄せ下さい。

●● 電機連合の主張 ●●
・障がい児(者)を支えながら働き続けることのできる
 社会支援体制や仕事と家庭を両立できるための障害
 福祉サービスの充実・強化を進める。
・障害児福祉計画には障がい児の保護者の両立支援の
 視点も盛り込む。
・通学等の移動支援について、個別給付化に向けた検
 討を進めること。

【茨城県で働く電機産業の代表 浅野さとし】
 ○フェイスブック
  https://www.facebook.com/satoshi.asano.564
 ○公式ホームページ
  https://www.asanosatoshi.com/#page1
 ○ツイッター
  https://twitter.com/asano__satoshi

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