2016年05月09日
『電機連合@見える化通信』Vol.61「みんなが注目、自動運転の実用化」
『電機連合@見える化通信』Vol.61
「みんなが注目、自動運転の実用化」
電機連合の活動の中に
「産業政策・社会政策」の取り組みが
あることを知っていますか?
産業政策は電機産業や日本をより豊かに
発展させるため、社会政策は暮らしや生
活をより良くするための取り組みです。
私たちの周りには様々な問題があり、
その中には、個別企業労使の話し合い
だけでは対応しきれないものも多数存
在します。
電機連合は働く者の立場から、自らに
関係する課題について政策・提言をま
とめ、政府や省庁などと意見交換を行
い、政策実現を目指しています。
『電機連合@見える化通信』では、
何となく小難しくて見えづらい政策
課題について、その中身を少しずつ
ご紹介していきます。
●● 電機連合の産業政策 ●●
日本のものづくりを牽引する自動車産業に
おいては、今後の付加価値向上がエレクト
ロニクス化の方向であることから、電機産
業としてもカーエレクトロニクス化を推進
する。
*自動車メーカー、電機メーカー、大学・
研究機関の連携を促進し、オールジャパ
ンで自動運転に係るオペレーションシス
テム・制御ソフトウェア等の戦略的な開
発を進める。
*自動車は、国をまたいで生産・販売(輸
出入)が行われる製品。センサー技術や
ソフトウェアの開発ガイドライン等、国
内外メーカー間で共通化できる分野につ
いては、共通化・標準化を進める
カーナビゲーションや自動衝突防止システム、
パワーステアリングなど、今や自動車に電機
関連技術は欠かせないものとなっていますが、
さらに最近では自動運転技術の開発が加速し
ており、電機メーカーの活躍の場が広がって
います。
○自動運転システムで交通事故の低減!
自動運転システムには、交通事故の低減、
交通渋滞の緩和、高齢者等の移動支援など、
様々な効果が期待されています。
政府は「世界最先端IT国家創造宣言」(2013
年6月閣議決定)で、2018年をめどに交通事
故死者数を2,500人以下とする目標を掲げて
います(14年は4,113人)。
交通事故の約9割はドライバーの運転ミスに
よるものであることから、自動衝突防止シス
テムの導入が進んでおり、20年台半ばには本
格的な自動運転システムの試用を開始すると
しています。
内閣府の戦略的イノベーション創造プログラム
(SIP)(※)では、課題の1つに自動走行シ
ステムが挙げられており、自動車各社の技術
者や各省庁の担当者、大学による産官学の横
断的な研究開発が進められています。
「研究開発計画」(2015年5月21日策定)に
よれば、自動運転システムは大きく4つのレ
ベルに分けられ、それぞれに実現が期待され
る時期が示されています。
まず17年までに信号情報や渋滞情報等のイン
フラ情報を活用した準自動走行システム
(レベル2)を市場化します。さらに、20年
代前半をめどに準自動走行システム(レベル3)
を市場化し、20年代後半以降には完全自動走
行システムの市場化をめざしています。
※Cross-ministerial Strategic Innovation
Promotion Program。
府省の枠や旧来の分野の枠を超えたマネジ
メントに主導的役割を果たすことを通じて、
科学技術イノベーションを実現するために
新たに創設するプログラム。
○注目される自動運転市場!
自動車各社も2020年までに高速道路での自動
走行車の実用化等を目標としています。
自動運転の市場規模は15年度見通しで約3千
億円ともいわれていますが、関連する産業の
裾野は広いことから、20年度には1兆円以上
に拡大するとの予想があります。
電機産業にとっても、各種のセンサーや通信
機器等を中心に大幅な市場拡大が期待されて
います。また、アメリカではグーグルやアッ
プルなどのIT大手が参入している他、日本
でも日立が自動運転車を試作し、昨年11月に
公開するなど、電機・IT産業の参入も進ん
でいます。
○自動運転へ向けた法整備!
自動運転の実用化に向けては、様々な法整備
も必要になります。例えば、日本も批准する
「道路交通に関する条約(ジュネーブ条約)」は
ドライバーが乗っていることが前提ですが、
ドライバーがいない自動運転が実用化される
ことを見込んで、欧米では条約の改正論議も
始まっています。
ドライバーがいない自動車や、ブレーキ機能
を自動化した自動車が事故を起こした場合、
事故の責任を誰がとるのかも問題となります。
すでに政府は法整備に乗り出しており、警察
庁は事故責任の所在などについて法的検討を
始めています。
○電機連合の主張!
電機連合では、カーエレクトロニクス化を推
進する立場から、自動車メーカー、電機メー
カー、大学・研究機関の連携を促進し、オール
ジャパンで自動運転に係るオペレーションシ
ステム・制御ソフトウェア等の戦略的な開発
を進めることを求めています。
【電機産業で働く私たちの代表 矢田わか子】
http://yatawaka.com/
【千葉県で暮らす私たちの代表 小西 洋之】
http://konishi-hiroyuki.jp/