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活動紹介

2016年05月09日

『電機連合@見える化通信』Vol.59「患者本位の医療を ~2016年度診療報酬改定~」

『電機連合@見える化通信』Vol.59
「患者本位の医療を ~2016年度診療報酬改定~」

電機連合の活動の中に
「産業政策・社会政策」の取り組みが
あることを知っていますか?

産業政策は電機産業や日本をより豊かに
発展させるため、社会政策は暮らしや生
活をより良くするための取り組みです。

私たちの周りには様々な問題があり、
その中には、個別企業労使の話し合い
だけでは対応しきれないものも多数存
在します。

電機連合は働く者の立場から、自らに
関係する課題について政策・提言をま
とめ、政府や省庁などと意見交換を行
い、政策実現を目指しています。

『電機連合@見える化通信』では、
何となく小難しくて見えづらい政策
課題について、その中身を少しずつ
ご紹介していきます。

「患者本位の医療を ~2016年度診療報酬改定~」

高齢化の進行や医療の高度化により、国民
医療費は今や年間で40兆円を超え、今後
もさらに膨らむ見通しです。

今年は診療報酬の改定年。厳しい財政の中、
医療保険制度の持続可能性をどう確保する
かが課題です。

○診療報酬とは!

保険医療サービスの価格は一般の商品とは
異なり、すべて公定で決められています。
診療報酬とは医療機関や保険薬局に支払う
公定価格のこと。1点10円の点数制で、
例えば「初診料282点」「処方箋料68点」
「再診料72点」などと細かく決められ、
私たちはそのうちの1割〜3割の自己負
担分を窓口で支払います。

点数を規定されていない医療は自由診療と
なり、全額自己負担です。医療現場は治療
方法の進化や新薬の登場、疾病構造の変化
などにより日々変容しています。診療報酬
はこれらの環境変化に適切に対応するため、
2年に1度、改定が行われます。
国民医療費の財源は、大まかにいえば、
公費(税)4割、保険料5割、患者負担1割
で賄っています。

従って診療報酬の改定率は、国の予算、私
たちが毎月支払っている健康保険料の料率、
窓口負担にも影響を及ぼします。
診療報酬は私たちの生活に大きく関わって
いるのです。

○次期診療報酬は引き下げへ!

今年は診療報酬の改定年です。昨年から改
定に向けた論議が厚生労働省の関係審議会
で行われてきました。連合は支払側の代表
として審議会に参画し、患者の立場から意
見反映を行っています。

昨年11月、連合は医療保険者関係団体(海
員組合、経団連、健保連、協会けんぽ、国
保中央会)とともに、診療報酬改定に向け
た要望書を厚生労働大臣に提出しました。
高齢者医療制度に対する支援金・納付金の
増大などにより医療保険者の深刻な財政状
況のなかで、保険料のさらなる引上げや患
者負担を回避すべく「マイナス改定」を求
めました。一方、医師会などの診療側はプ
ラス改定を主張し、意見は対立していまし
た。そうした中、政府は12月末に診療報酬
の改定率を全体で0.84%引き下げると決定
(本体+0.49%、薬価で△1.33%)。
薬価等の制度改革とあわせると国費1,495
億円の圧縮となり、医療費全体の伸びは一
先ず抑えられた形です。

今後は診療行為ごとの具体的な配分を論議
します。どのように配分するかで医療機関
の行動は変わってくるため、医療提供体制
の方向性を左右するといっても過言ではあ
りません。

○患者本位の医療をめざす!

今では当たり前となった医療機関で発行さ
れる領収書。これは連合が1997年から取り
組んできた「お医者さんにかかったら領収
書をもらおう」運動の大きな成果です。

当時、領収書を発行しない病院も多く、医
療費の架空請求や水増し請求が横行する中
で、患者はその確認すらできない状況でし
た。長年にわたる職場での運動の展開、そ
して診療報酬の配分を論議する中央社会保
険医療協議会(中医協)にて連合委員が領
収書の発行義務化を粘り強く求めた結果、
2006年に領収書が、さらに2010年には明細
書の無料発行義務化が実現したのです。

これにより患者は自らの診療内容を確認で
きるようになりました。医療はその専門性
の高さから医師と患者との間に「情報の非
対称性」という情報格差が存在します。

明細書発行義務化はその溝を埋め、医師と
の信頼関係を築く一歩だともいえます。

医療現場では、医療従事者の不足、医療と
介護の連携、多剤・重複投与の是正など依
然として課題は山積しています。ICTの
利活用促進も不可欠です。

電機連合は引き続き連合と連携し、安心と
信頼の「患者本位の医療」の確立をめざし
て取り組みを進めていきます。

【電機産業で働く私たちの代表 矢田わか子】
 http://yatawaka.com/
【千葉県で暮らす私たちの代表 小西 洋之】
 http://konishi-hiroyuki.jp/

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