活動紹介

2015年11月03日

『電機連合@見える化通信』Vol.57「経済活動に国境なし」

『電機連合@見える化通信』Vol.57
「経済活動に国境なし」

電機連合の活動の中に
「産業政策・社会政策」の取り組みが
あることを知っていますか?

産業政策は電機産業や日本をより豊かに
発展させるため、社会政策は暮らしや生
活をより良くするための取り組みです。

私たちの周りには様々な問題があり、
その中には、個別企業労使の話し合い
だけでは対応しきれないものも多数存
在します。

電機連合は働く者の立場から、自らに
関係する課題について政策・提言をま
とめ、政府や省庁などと意見交換を行
い、政策実現を目指しています。

『電機連合@見える化通信』では、
何となく小難しくて見えづらい政策
課題について、その中身を少しずつ
ご紹介していきます。

●●電機連合の社会政策●●

※他国との経済連携において、公平
 な貿易条件の確立に向け取り組み
 を進める。
※中核的労働基準と環境条項の遵守、
 安易な人の移動の制限を反映させる。

我々電機産業の製品は、多くを海外に
輸出しています。輸出に影響を与える
要素として「為替」と「関税」があり
ますが、為替については円安傾向に動
いており、輸出には追い風です。

しかし、海外生産の移転が進むなど様
々な要因により期待された程の大幅な
輸出増となっていません。

今回はもう一つの関税について最近の
動きを紹介します。

○他国との経済連携協定(FTAとEPA)
 多くの国々では外国から入ってくる
 モノに税金を上乗せする(関税)
 ことで国内産業を保護・育成してい
 ます。
 しかし一方では、モノを輸出しよう
 とすると関税がかかるため、貿易の
 障壁ともなります。近年ではこうし
 た関税を取り払う、もしくは引き下
 げて経済効果を上げる方法として、
 経済連携が進められています。

 経済連携には「FTA」や「EPA」と呼
 ばるものがあり、FTAとは
 「Free Trade Agreement」の略で
 「自由貿易協定」と訳されます。

 特定の国や地域の間で、物品の関税
 やサービス、貿易の障壁を削減・撤
 廃することを目的としています。

 また、EPAとは
 「Economic Partnership Agreement」
 の略で「経済連携協定」と訳され、
 FTAでカバーする内容に加え、投資ル
 ールや労働基準の整備などもカバー
 したより広範囲な概念です。

 障壁を取り払うことで2国間の経済
 活動を1つの国のようにして経済効
 果を上げる意味において、両者は実
 質は同じといえます。

 日本は、シンガポールやメキシコな
 ど15の国・地域とEPAを締結しており、
 10余りの国・地域とFTA・EPA交渉中
 です(2015年3月現在)。

○TPP(環太平洋戦略的経済連携協定)
 近年、世界で注目されているものは
「TPP」です。
 TPPとは「Trans-Pacific Partnership」
 の略で「環太平洋パートナーシップ協定」
 と訳され、太平洋を取り囲む国々の間で、
 モノやサービス、投資などが自由に行
 き来できるよう、各国の貿易や投資の
 自由化やルール作りを進める仕組みです。

 日本を含む12カ国が協定に参加して
 おり、世界のGDPの約4割を占めます。
 2010年3月の交渉開始から5年半を
 かけ、今年10月に参加国間で大筋合意
 がなされました。

 今後は各国において批准の手続きが
 行われます。
 我々電機産業にとってTPPの締結は、
 関税撤廃・引き下げによる製品の輸出
 拡大と様々な手続きの簡素化による
 インフラ輸出の増加が期待されています。

○その他の経済連携協定
 TPP交渉の大きな前進によって、他の経
 済連携協定の交渉加速も期待されてい
 ます。
 欧州連合(EU)や日中韓との経済連携、
 日中印など計16カ国による東アジア地
 域包括的経済連携(RCEP)などが交渉
 中であり、また、WTO(世界貿易機関)
 においてもデジタル製品の関税撤廃の
 対象が拡大するなどの動きがみられます。

○協定促進と共に働くルールづくりを
 加速すると思われる他国との経済連携
 において電機連合では、公平な貿易条
 件の確立に向け取り組みを進めること
 を求めています。また、中核的労働条
 件と環境条項の遵守、安易な人の移動
 の制限を反映させることを求めています。

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