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活動紹介

2015年08月31日

『電機連合@見える化通信』Vol.55「急がれる高度ICT人材の育成」

『電機連合@見える化通信』Vol.55
「急がれる高度ICT人材の育成」

電機連合の活動の中に
「産業政策・社会政策」の取り組みがあることを知っていますか?

産業政策は電機産業や日本をより豊かに発展させるため、社会政策は暮らしや生
活をより良くするための取り組みです。

私たちの周りには様々な問題があり、その中には、個別企業労使の話し合い
だけでは対応しきれないものも多数存在します。

電機連合は働く者の立場から、自らに関係する課題について政策・提言をま
とめ、政府や省庁などと意見交換を行い、政策実現を目指しています。

『電機連合@見える化通信』では、何となく小難しくて見えづらい政策
課題について、その中身を少しずつご紹介していきます。

●●電機連合の産業政策●●

※【2012年政策協議】
 国家戦略にふさわしい人材育成の司令塔としてのナショナルセンタ
 ーを創設し、産官学・学生が集い、これまでの成果の蓄積、その公開、
 評価、改善を継続していくための場を創設する。
 【2015年政策協議】
 研究開発だけでなく、マーケティングまでできるプロデューサーの
 能力を持ったプロジェクトマネージャーの育成や、事業化を前提と
 した研究開発を推進する。

近年、ICT人材の育成が急務になっています。背景には、マイナンバ
ー制度の開始に伴うシステム管理や、東京オリンピック・パラリンピック
開催に向けたスムーズな移動手段や関連情報のオープンデータ化の実現
などに対応できる人材の量的な不足、それから、ICT利活用による新ビ
ジネスの展開に対応できる人材(高度ICT人材)の質的な不足が挙げ
られます。
これを受けて、政府も「日本再興戦略」でICT人材の育成推進を掲げ
るなど、対応に乗り出しています。
ここでは、高度ICT人材の育成に焦点をあてて、政府の動きを紹介し
ます。

※ITとICT:ITはInformationTechnology(情報技術)、ICTは
 Information and CommunicationTechnology(情報通信技術)の略で、
 ほぼ同義語。国際的にICTが定着していることなどから、近年、
 行政を中心に日本でもICTが使われている。
 ここでは、ICTで統一して表記する。

【「高度ICT利活用人材」の育成】
 ビッグデータを用いて企業の戦略策定や意思決定、新たな価値創造
 が可能となりつつある中、これまで情報の処理・管理に直接携わっ
 てこなかった経営層やユーザー部門でも、情報の処理・管理の意味
 やその価値を理解し、さらにICTの高度な利用を通して情報を積
 極的に活用することが必要となります。
 総務省では、2011年度から「高度ICT利活用人材」の育成プログ
 ラム開発事業を始めています。
 その内容は、?@ICTを高度に利用し、?A情報を積極的に活用して
 戦略を立案し、?Bその戦略を実施できる、いわゆる「高度ICT利
 活用人材」を提唱し、その育成事業として各種調査・研究や人材育
 成カリキュラムの開発を進めています。

【プロデューサ的なICT人材の育成】
 経済産業省では、ICTを利活用する様々な仕組みを包含する形で実世
 界から得られたデータを分析・解析し、その結果を再び実世界にフィー
 ドバックする「サイバーフィジカルシステム(CPS)」の取り組みを
 進めています。今年5月には、産業構造審議会の小委員会で「中間とり
 まとめ報告」が発表されました(有野電機連合委員長が委員として参画)。
 報告書では、CPSビジネスを拡大するためには、ユーザ産業が主体と
 なってICTの活用を企画立案していく必要があり、そのためには、
 ICTとビジネスの両方が分かる経営幹部や経営幹部を支えるプロデュ
 ーサ的な人材が必要であるとしています。また、ICTの技能とその他
 の技能を結び付けることのできる人材も重要としています。例えば、前
 例のないビジネスモデルにおける法的な問題等に対応できる「法務や財
 務とITのハイブリッド人材」や、組込みソフト開発等では「IT技能
 とものづくりの技能(機械工学)を結びつけられる人材」のことをいい
 ます。これを受けて、ワーキンググループでは、そうしたICT人材の
 確保・育成の方向性などを検討しているところです。

【電機連合の主張】
 電機連合では、2005年の政策協議で先駆けて、政党・省庁に対し、IC
 T人材の育成促進を要請し、以後継続して人材育成促進税制の有効活用
 や国家として一体的に人材育成に取り組む「ナショナルセンター」の創
 設などを要請しています。
 今年の政策協議では、ICT利活用による経済・産業の活性化とともに、
 新産業を創造する技術開発・技術系人材の育成促進を求めています。

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