2015年03月11日
電機連合「政策NEWS」(労働)〜社会保障と税の一体改革〜「今後どうなる?医療と介護」
電機連合「政策NEWS」(労働)
〜社会保障と税の一体改革〜「今後どうなる?医療と介護」
■政府は、現在会期中の第189回通常国会に医療保険制度改革関
連法案を提出する予定です。
■また、同じく審議予定の政府予算案には、2015年4月からの介護
報酬の引き下げ改定が含まれています。
【医療】
※被用者保険者:「被雇用者」が加入する保険者のこと。
協会けんぽ・健保組合・共済組合・船員保険がある。
<医療保険制度改革の主な内容>
・国民健康保険への財政支援の拡充
・被用者保険者※の後期高齢者支援金について、段階的に全面総報酬
割を実施
※現行 1/3総報酬割⇒2015年度 1/2総報酬割⇒
2016年度 2/3総報酬割⇒2017年度 全面総報酬割
■改正案では、全面総報酬割実施により生じる国庫補助削減分(2400億
円)の多く(1700億円)を、国民健康保険への財政対策に投入されること
が盛り込まれています。
■2014年度の健保組合の支出に占める高齢者医療拠出金の割合はすでに47.7%、
協会けんぽで41.9%となっており、これらの負担の増加はさらなる保険
料率の引き上げや健保組合等の財政運営・保健事業運営をますます困難
にすることにつながります。
【保険】
※介護報酬:介護保険から介護事業者に支払う報酬。各サービス毎に点数
が決められており、3年に1度、見直しが行われる。
<2015年度 介護報酬改定(案)の概要>
・介護報酬※改定率 ▲2.27%
・介護職員の処遇改善加算1.65%(月平均12,000円)上乗せ
・上乗せ分等を除くと、介護サービス部分は実質▲4.48%
■介護報酬の引下げによって、介護保険料の負担増は抑えられる一方で、介護
サービスの質の低下を招くことが懸念されます。
■介護離職者はすでに年間10万人を超えており、働きながらの介護を支援する
制度の拡充が急務です。
■2025年をターゲットに「地域包括ケアシステム」※の構築が各地域において進め
られています。
※地域包括ケアシステム
重度の要介護状態となっても住み慣れた地域で自分らしい暮らしを人生
の最期まで続けることができるよう、住まい・医療・介護・予防・生活支
援を一体的に提供する支援体制
●電機連合は、社会保障制度における
「保険料」「税」それぞれの役割の明確化や公平・納得の負担の仕組みへの見
直しに向け、引き続き取り組みます。
●国民健康保険の財政対策は、被用者保険に肩代わりさせるのではなく、国の
責任で行うべきです。また医療費抑制の観点から、データヘルスを活用した
予防・健康増進などの取り組みが不可欠です。
●「地域包括ケアシステム」の構築には地域における医療と介護の連携が不可
欠であり、仕事と介護の両立支援の視点においても「介護者を社会全体で支
える」仕組みの早急な構築が求められます。