2015年02月24日
【2015年総合労働条件改善闘争】<第1回産別労使交渉>
【2015年総合労働条件改善闘争】
<第1回産別労使交渉>
http://www.jeiu.or.jp/syuntou/
〜 賃金・一時金の引き上げが
すべてのスタート 〜
2015年総合労働条件改善闘争の第1回
産別労使交渉は、2月23日(月)17時よ
り開催されました。電機連合からは、
有野委員長をはじめ三役および書記次
長が出席し、経営側からは、電機・電
子・情報通信産業経営者連盟(電経連)
の6社(パナソニック、日立製作所、東
芝、富士通、日本電気、三菱電機)の労
務担当役員が出席しました。
交渉では、電機連合より電経連に対し、
今次闘争の「要求書」ならびに「非正
規労働者の労働条件改善に向けた取り
組みに関する要請書」を提出し、要求
・要請に対する経営側の見解を求めま
した。
労使の主張は「経済の好循環の実現」
への貢献の必要性については一致した
ものの、個別の論点については双方の
考え方には隔たりがあります。
(電機連合)
電機連合は今次闘争において、労使の
主体的取り組みにより実質生活の維持
・向上を図り、経済の好循環を実現す
ることをめざしている。
継続した賃上げを通じて消費の拡大、
経済の好循環実現の流れを生み出すこ
とが重要。
(経営側)
経済の好循環実現に向けて、電機産業
として引き続き貢献することの重要性
については理解する。しかしながら賃
上げだけが唯一の方法ではなく、企業
の生み出す付加価値を踏まえた総合的
な判断が必要であり、昨年の結果のみ
を前提とせず、ゼロベースから議論し
ていくべき。
労使双方の主張ポイントは次の通りです。
【電機連合の主張】
(1)春闘60年の節目を迎え、将来の日本
をどのように形作っていくか、極め
て重要な時期だと考えている。安心
で安定した生活と、持続可能な社会
を実現していくために、今次闘争で
は個別の視点に加え、マクロな視点
に立った論議が重要と考える。交渉、
協議を通じた電機労使の社会的責任
と役割が問われており、それに応え
ていく必要がある。
(2)政労使会議で一致協力して取り組む
との認識に至った「賃金上昇に向け
た取組」「中小企業・小規模事業者
に関する取組」「非正規労働者のキ
ャリアアップ・処遇改善に向けた取
組」について、電機労使としても認
識を共有したい。
(3)電機連合は今次闘争において、労使
の主体的取り組みにより実質生活の
維持・向上を図り、経済の好循環を
実現することをめざしている。賃上
げを通じた消費の拡大を経済の好循
環につなげていく必要がある。生活
基盤の基本にあるのは賃金であり、
あくまでも月例賃金の引き上げにこ
だわった取り組みを推進していく。
(4)雇用労働者の7割を占める中小企業
で働く労働者や、非正規労働者の労
働条件の底上げ、底支え、格差是正
を進め、賃上げの波及効果を広げる
ことが重要である。
本日要請した、非正規労働者の労働
条件改善に向けた権利保護に関わる
取り組みの徹底、下請け関係や派遣
・請負等を含めた企業間の公正取引
について、経営側の配慮をお願いし
たい。また今後行う非正規労働者に
関する実態把握に向けた調査へのご
協力をお願いしたい。
(5)グループ内企業の労働組合組織化に
より、労使関係の構築、グループ企
業全体の成長と発展に貢献すると考
えており、グループ内企業の組織化
に向けた取り組みへの理解を得たい。
(6)海外における労使紛争によるリスク
への対応として、日本本社と海外拠
点におけるコミュニケーションの重
要性が増している。ネットワーク会
議(※)の開催に対する理解と協力を
お願いしたい。
(※)
ネットワーク会議:同じ企業グルー
プに属する海外の労働組合と日本の
労働組合が、活動報告・情報交換、
グループ経営状況などを共有し、「
建設的な労使関係」への理解を深め、
企業グループの発展と従業員・組合
員の生活の安定につなげるための会議。
(7)労使双方の主張には隔たりがあるが、
今後の議論を深めていきたい。
【経営側の主張】
(1)春闘60年に亘る電機連合としての活
動に敬意を表したい。経済の好循環
に向けて、電機産業としても引き続
き貢献することの重要性については
理解をしている。しかしながら、賃
上げだけが唯一の方法ではないと思
っている。要求内容についてはよく
検討し、企業の生み出す付加価値を
踏まえた総合的な判断が必要であり、
昨年の結果のみを前提とせず、ゼロ
ベースから議論していくべき。
(2)昨年も経済の好循環に向けて2,000円
の賃上げをしたが、毎年行っていく
ことが必要なのか。また月例賃金の
引き上げが消費拡大に本当につなが
るのか、きちんと検証することが必要。
(3)物価のとらえ方についても議論したい。
物価上昇については、中長期でみる
と1990年代後半からデフレ時代を経
て、昨年までに物価は3%以上下がっ
てきた。一方でこれまでデフレ時代
でも各社労使での真摯な議論を通じ
て、定期昇給や賃金体系維持を行っ
てきたことを踏まえ、短期的な物価
動向で賃上げを行うべきなのか疑問
がある。また、物価上昇については、
消費税引き上げ分は社会保障財源と
なり国民に還元されることから、消
費税の影響を差し引いた数値をベー
スに議論すべき。
(4)中小企業に対する取り組みについて
は、労働組合側の社会的役割として
の取り組みであることについて理解
している。下請けとの関係について
は、下請法の法令遵守を前提に対応
している。
(5)非正規労働者の課題については、各
企業内で会社が責任をもって取り組
むべき問題であり、引き続き法令遵
守の徹底に取り組んでいく。
(6)日本企業の海外進出の増大につれ、
今後海外での労使紛争が多発すると
予想される。対応にあたっては、各
国の法令遵守と現地の文化・慣習、
日本人と異なる価値観に配慮した対
応が必要であり、一律の対応は難しい。
【参考】
・2015春闘要求内容
http://www.jeiu.or.jp/2015021300001.html
以 上