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活動紹介

2014年12月05日

電機連合@見える化通信Vol.45【再生可能エネルギーの普及に二つの課題】

電機連合@見える化通信Vol.45
【再生可能エネルギーの普及に二つの課題】

電機連合の活動の中に「産業政策」の取り組み
があることを知っていますか?
産業政策とは、電機産業や日本をより豊かに発
展させるための取り組みです。
私たちが働く電機産業に活気があり、企業の業
績がよくなければ、雇用の維持・拡大や賃金な
どの労働条件の改善は厳しくなります。

そこで、働く者の立場から電機産業が直面して
いるさまざまな課題を見つけ出し、その解決方
法(法改正や制度策定など)を考えて「産業政
策(政策制度課題と私たちの見解)」として取
りまとめ、毎年、政党や省庁などと意見交換を
行って、政策実現を目指しています。
『電機連合@見える化通信』では、何となく小
難しくて見えづらい、でも私たちの暮らしをよ
り良くするために大切な産業政策の見える化に
向けて、その中身を少しずつご紹介していきます。

【電機連合の考え方】
電機連合では、太陽光発電の高効率化や軽量化へ
の研究開発、風力・地熱発電についての国内規制
の緩和・制度改革を進めることなど、再生エネの
普及促進策を求めるとともに、固定価格買い取り
制度については、電力料金の上乗せが国民の過度
な負担とならないよう、継続的に各発電方式の普
及状況の点検・買い取り価格の見直しを行うよう
求めています。

●●電機連合の産業政策●●
※太陽光発電の高効率化・軽量化への研究開発を
 進める。
※風力・地熱発電について、国内規制の緩和・制
 度改革を進め、企業参入を促進する。
※電力料金の上乗せが国民の過度な負担とならな
 いよう、各発電方式の普及状況の点検・買い取
 り価格を見直す。

再生可能エネルギー(太陽光・風力・地熱・中小
水力・バイオマス)の普及を促す目的で2012年7
月に始まった固定価格買い取り制度ですが、2年
余りを経た現在、見直しに迫られています。

【固定価格買い取り制度とは】
太陽光などのエネルギーは自然活動によって絶え
ず再生・供給されて枯渇する心配がないことから、
再生可能エネルギー(以下、再生エネ)と呼ばれ、
火力や原子力に代わる次世代の発電技術として期
待されています。ただ電気を作り出すのに必要と
される費用は火力や原子力の数倍かかるとされ、
普及は進んでいません(水力を除く再生エネの発
電量に占める割合は1.4%(2011年度))。
そこで、再生エネの普及を促す目的に導入された
のが固定価格買い取り制度です。これは、事業者
や家庭が再生エネで生み出した電気を、電力会社
が、発電方法に応じた値段で10〜20年の期間に買
い取る仕組みです。買い取り価格は設備を設置し
た時から変わらないため、事業者らは再生エネの
投資に見合った利益を回収することが見込まれ、
参入しやすくなります。この仕組みは諸外国の多
くで導入されており、再生エネの普及策として一
般的な手法となっています。
価格や期間は、専門家による第三者委員会
(調達価格等算定委員会)の意見をもとに、経済
産業省が年度ごとに見直しています。買い取り価
格の原資は企業や家庭等が利用する電気料金に上
乗せされ、利用者が「賦課金」として負担しています。


【固定価格買い取り制度をめぐる二つの課題】
固定価格買い取り制度の導入により、この2年間
で、再生エネの発電量に占める割合は1.4%
(2011年度)から2.2%(13年度)に増加しました
が、他方で課題も生まれています。大きくは二つ
あります。
一つは電力会社の受け入れ能力の問題です。
2014年10月までに九州電力など電力5社が再生エ
ネの買い取り手続きを中断すると発表しました
(11月下旬時点では、供給制限の仕組みを入れる
ことを条件に再開する方針)。これは、電力会社
は最大電力需要を想定して必要な容量の送電網を
整備していますが、事業者らからの買い取り申し
込みが容量以上の発電容量に達したためです。
もう一つは国民の負担増の問題です。14年度の
「賦課金」は1kw時当たり0.75円であり、標準家
庭モデル(1ヵ月に300kw時の電気使用)で月に
225円となります。今後、再生エネは増加してい
くと予想されることから、利用者の負担も増えて
いくと懸念されます。

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