2014年09月27日
電機連合@見える化通信Vol.43【政策・制度の取り組みと国の予算編成の関係】
電機連合@見える化通信Vol.43
【政策・制度の取り組みと国の予算編成の関係】
電機連合の活動の中に「産業政策」の取り組みがある
ことを知っていますか?
産業政策とは、電機産業や日本をより豊かに発展させる
ための取り組みです。
私たちが働く電機産業に活気があり、企業の業績がよく
なければ、雇用の維持・拡大や賃金などの労働条件の改
善は厳しくなります。
そこで、働く者の立場から電機産業が直面しているさま
ざまな課題を見つけ出し、その解決方法(法改正や制度
策定など)を考えて「産業政策(政策制度課題と私たち
の見解)」として取りまとめ、毎年、政党や省庁などと
意見交換を行って、政策実現を目指しています。
『電機連合@見える化通信』では、何となく小難しくて
見えづらい、でも私たちの暮らしをより良くするために
大切な産業政策の見える化に向けて、その中身を少し
ずつご紹介していきます。
【政策・制度の取り組みと国の予算編成の関係】
101兆円。この数字は何だか分かりますか。
途方もなく大きな金額です。
これは、来年、2015年度(平成27年度)の国の一般会計
予算作成に向けて、8月末を期限に各省庁からの概算要
求を足し合わせた予算額で、101兆円台になりました。
【予算編成の流れ】
国の予算案は毎年8月から12月にかけて政府・与党が調
整して決めています。
その流れを簡単に説明すると、まず、各省庁は次年度に
必要な予算額を見積もり、財務省に提出します。
しかし、その予算額には上限をつけないと、国全体の予
算は際限なく膨らんでしまいます。そこで、各省庁の予
算額の見積もりにあたっては、上限を定めます。
これが概算要求基準です。
概算要求基準の基本的な方針は、毎年7月末の閣議了解
を経て各省庁に示され、各省庁は8月末を期限に財務省
に要求します。もちろん、要求がそのまま通るわけでは
ありません。9月からは財務省と各省庁の折衝が始まり
予算額を絞り込んでいきます。
そして、12月末には「予算編成の基本方針」が閣議決定
され、翌年1月からの通常国会での審議を経て、3月末
までには予算が成立します。
【2015年度概算要求の特徴】
概算要求が100兆円を超えるのは今回が初めてです。
年末の予算編成では、いかにして100兆円以下に抑えるか
が焦点になりそうです。なお、今年の3月末に成立した
2014年度(平成26年度)の一般会計予算は95.9兆円でし
たが、その歳出内訳をみると、
(1)年金・医療・介護などの社会保障費が全体の3割を
占め、他に(2)地方財政を支える地方交付税交付金や
(3)国債の償還や利払いに充てる国債費を合わせると、
この三つで全体の7割を占めています。
これらの増加傾向には歯止めがかかっていないことから
その伸びをどう抑えるかが大きな課題となっています。
●●電機連合の政策・制度の取り組み●●
電機連合の政策・制度の取り組みは、まさに国の予算編
成の流れをにらんで進められます。というのも、政策・
制度の取り組みを進める目的は、どうすれば電機産業が
社会や国民生活の向上に貢献できるか、また、電機産業
を発展させていくことができるかといった課題について
働く者の視点から国の政策や制度をつくる過程の議論に
加わっていくことにあります。
そのため、電機連合でまとめた政策・制度課題に対する
要望事項や提言の実現に向けては、多くの場合、法令の
新設・改廃やそれに基づく制度の確立・変更、最終的に
はそれらに伴う「予算の確保と執行」という形で実を結
びます。
具体的には、政策作成に直接携わる部署(政党では、政
策調査会・政務調査会、省庁では担当部局の幹部)との
「協議」という形式をとり、毎年6〜7月にかけて、電
機連合の政策の説明やそれに対する意見交換を通じて、
国会議員や省庁の担当者に電機連合の政策・考え方への
理解を深めてもらっています。
今後も引き続き、要請項目が予算に反映されているかを
確認し、政策・制度実現に向けた取り組みを進めていき
ます。