2014年07月02日
【報告】連合2014平和行動in沖縄(サンゴバン・ティーエム労働組合)
【報告】連合2014平和行動in沖縄(サンゴバン・ティーエム労働組合)
{目的}
戦後60年以上が経過し、戦争体験者が減少する中で、平和の尊さ、
大切さを次世代に伝えることは、現代に生きる私たちの責務と考え、
連合の平和行動(沖縄、広島、長崎、根室)へ役員・組合員を各1名
派遣しています。
{派遣}3名
・マブチモーター労働組合
・サンゴバン・ティーエム労働組合
・富士電機労働組合 千葉支部
{日程}
○第1日目:6月23日(月)
・平和オキナワ集会
第1部
【講師】柳澤協二氏
【演題】日米地位協定の抜本的見直しおよび在日米軍基地の整理縮小
について
第2部【平和式典】
・平和交流会
○第2日目:6月24日(火)
・現地視察学習(ピースフィールドワーク)
・「米軍基地の整理・縮小」と「日米地位協定の抜本改定」を求める
集会・デモ
・連合千葉意見交換会
【報告:サンゴバン・ティーエム労働組合】
{第1日目:6月23日(月)}
○平和オキナワ集会
第1部
【講師】柳澤協二氏
【演題】日米地位協定の抜本的見直しおよび在日米軍基地の整理縮小
について
第1部の基調講演では「日米地位協定の抜本的見直し及び在日米軍基地
の整理縮小」と題して柳澤協二氏より講演を頂いた。
内容としては沖縄米軍海兵隊が抑止力という看板の元あり続けているが、
冷戦の終わった現在の国際情勢において抑止力としての価値があるのか、
抑止力という言葉によって在日米軍について思考停止してしまっている
のでその先を考えていかなければならないという内容であった。
第2部
【平和式典】
第2部では平和式典として神津里季生務局長はじめ、主催者、来賓の方々
から恒久平和を願う挨拶を頂いたあと、次の開催地である連合広島への
ピースリレー、連合沖縄からの平和アピールが行われた。
○平和交流会
伝統的な沖縄舞踊、三味線等を使った余興を鑑賞した。
演者は20代の男女グループで、伝統的な舞踊をベースに現代風なアレンジと、
最近のお笑いのネタを交えるなど会場一体が盛り上がる内容であった。
また他単組との意見交換が行われた。
{第2日目:6月24日(火)}
○現地視察学習(ピースフィールドワーク)
今回は基地コースと称し、普天間基地代替予定地である辺野古、嘉手納基地、
集団自決が行われたチビチリガマ、米軍上陸地点を見渡せる泊白公園高台、
普天間基地を巡った。
辺野古ではエメラルドグリーンの海と対照的に建設予定地への立ち入り制限
のためのバリケードが張られ、反対派と賛成派のテントが設営されていた。
地元住民でも賛成と反対派が二分し、反対派は県外の方が多く、賛成派は地
元の漁業組合の方が多いなど問題の難しさを実感した。
次に、嘉手納基地を見渡せる道の駅展望台へと向かった。実際に飛行はして
いなかったが、滑走路にてエンジンをふかしているF15戦闘機の爆音を聞くこ
とができた。旅客機と違い非常に高音で、耳に残るような爆音であった。
チビチリガマはのどかな車道のすぐ脇にある階段を下ったところにあるが、
そこは空気の張り詰めた荘厳な雰囲気であり、亡くなられた方々の無言のメ
ッセージを感じた。チビチリガマでは85名が絶命したという。
普天間基地に向かう途中では何度も頭上をV22オスプレイが通過した。
連合沖縄青年部の方が説明をし、イヤホンマイクで傾聴しているのだがそれ
すらもかき消すような、ジェットと違う腹に響くような重低音であった。
高台から望む普天間基地は近隣にマンションや住宅が密集し、着陸コースに
入ったV22が低空で住宅街へ侵入するまさに異様な風景であった。
○「米軍基地の整理・縮小」と「日米地位協定の抜本改定」を求める
集会・デモ
「米軍基地の整理・縮小」と「日米地位協定の抜本改定」を求める集会を後に、
国際通りを往来する方々にデモ行進にて我々の声を発信した。
○連合千葉意見交換会
解団式を兼ねて意見交換を行なった。今回の集会を通して実感した所感等を
共有した。
○所感(全体を通して)
今回、特に印象的であったのが基地問題について沖縄県民の中でも意見が割
れているということであった。テレビの報道等を通して、県外の私は沖縄県
民の大多数が基地の反対、縮小派なのだというイメージであった。
しかし代替予定地である辺野古でも意見が割れており、また今回ガイドをし
て下さった連合沖縄青年部の方も親類が基地で働いていることもあり自分の
中でも結論を出せないと語っていた。
基地が無くなると雇用が失われるという意見がある一方で、返還され実際に
商業地とした沖縄のある地域では経済効果が174倍になったという。
基地の移転、縮小に関しては様々な利害関係が複雑に絡み合った問題である
ことを再認識すると共に、六ヶ所村の核燃料再処理施設のように地元住人と
の地道な対話によって時間が掛かってもよりよい解決への道を探って行って
いただきたいと思った。
こういった地元民の対立に関して沖縄青年部の方が「都会と違い、よく知っ
ている近所の中で賛成派と反対派に別れているということは精神的に非常に
苦痛である」という言葉が心に残った。
またバス移動中での不発弾の問題について語った内容も印象深かった。
沖縄にはまだ多数の不発弾があると推定されているのだが、青年部の先輩に
あたる方が土木工事にてショベルカーで作業をしている際に不発弾に当たり、
半身不随になったという。
正に戦争はまだ終わっておらず、ヘリの墜落問題と共に現代の県民の身近な
脅威として存在しているのだと感じた。
今回の平和行動では集会やピースフィールドワークを通してテレビでは伝わ
らない事を実感することができた。特に私としては沖縄県民である青年部の
方の日常生活の中で実感している、沖縄に関する問題を面と向かって聞いた
ことが大変貴重な収穫でした。