2013年08月30日
電機連合は、8/30(金)に経済産業省との「政策協議」を実施しました。
電機連合は、8/30(金)に経済産業省との「政策協議」を実施しました。
{日時}8月30日(金)8:00〜9:30
{場所}ザ・キャピトルホテル東急
{省庁}経済産業省
{内容}
(1)企業特区構想について
(2)政府主導による業界再編について
(3)中小企業対策について
「電機連合 計10名」
有野 正治 氏 中央執行委員長
野中 孝泰 氏 副中央執行委員長
浅沼 弘一 氏 書記長
矢木 孝幸 氏 書記次長
住川 健 氏 産業政策部長
冨高 裕子 氏 社会政策部長
井村 和夫 氏 政治センター事務局長
他3名
「経済産業省 計7名」
富田 健介 氏 商務情報政策局長
石川 正樹 氏 商務情報政策局 審議官
間宮 淑夫 氏 商務情報政策局 情報政策課長
宮?ア 貴哉 氏 商務情報政策局 デバイス産業戦略室長
江澤 正名 氏 商務情報政策局
情報家電戦略室長兼環境リサイクル室長
他2名
○有野委員長あいさつ
厳しい状況にある電機産業、中でも半導体関係では、
経済産業省の力強いご支援とご指導をいただいている
ことに組合員を代表し御礼申し上げるとともに、引き
続きのご支援をお願いする。
参議院議員選挙も終わり、いよいよ成長戦略の実践が
期待されている。経済産業省の手腕に頼るところ大き
く、着実な取り組みをお願いしたい。
今の日本に求められているのは早期にデフレから脱却
することであり、そのためには、経済の安定成長だけ
でなく、生活、雇用、将来などに対する不安の払拭も
大事になってくる。
われわれも、電機産業が持つ技術を通して日本の成長
に貢献すべく、しっかり労使で取り組んでいきたい。
この面でも経済産業省の支援をぜひお願いしたい。
○富田局長あいさつ
電機産業は、雇用の大きさや技術力の面で自動車産業
と並ぶ日本の基幹産業と認識している。
日本経済は、電機産業が持つ技術に支えられていると
ころが大きく、成長戦略の実現において、重要な位置
にいる。
景気回復がようやく進み始めた。
これを一刻も早く、本格的な成長軌道に結びつけてい
かなければならない。今、省を挙げて成長戦略の実現
に向けて取り組んでいる。この秋に迎える大きな正念
場が、産業競争力強化法だ。設備投資の拡大、規制緩
和など、成長戦略のなかでも特に公的に必要なものを
集中的に整備すべく、準備をしている。
また、税制についても、特に設備投資減税を拡大すべ
く例年よりも前倒しで取り組んでいる。
スピード感を持って、政策に取り組んでいく所存だ。
今日はぜひ、忌憚のない意見交換をさせていただきたい。
◆◆◆<主な意見交換内容>◆◆◆
(1)企業特区構想について-----
【電機連合】
企業特区という言葉が政府から出てきている。
特区構想というと、規制を緩和して企業や地域を活性化
させるイメージだが、今回の構想では、安全とか個人を
守る労働法制とかいったところまで規制緩和するという
話が、報道で流れている。
そこまで踏み込むのか、また、踏み込むことができるの
かという疑問がある。考え方について教えてほしい。
【経産省】
最近検討している例では、工場における高圧ガスの保管・
管理について定めている「高圧ガス保安法」という法律
があるが、その内容は細かく規定されており、作業負荷
が高くなる。それを、例えば非破壊検査といった方法で、
法の趣旨に従って同等の検査ができるのであれば、例外
的にそうしたやり方を認める、というものである。
いろいろなケースで同様のことがある。その一つ一つを
関係省庁と調整しながら、条件付きで認め、実際に運用
し効果をみていく。こうして将来的な規制緩和の芽を見
つけて、それを規制緩和の本丸の部分につなげていくこ
とを目的としている。
【電機連合】
製品開発における実証実験のようなものか。
【経産省】
そうだ。企業単位で例外を作るということでは決してない。
また、規制緩和といっても、その規制を所管している省庁
がある。しっかり議論をして、その省庁に納得してもらわ
ないと規制緩和はできない。
仮に、われわれが個人を守る法律を特区構想で緩和するよ
うな提案を厚生労働省に投げたとしても、議論がまとまる
はずはない。
従って、現実的にはそういったことは起こらないと考えて
いい。
(2)政府主導による業界再編について-----
【電機連合】
これも報道ベースの話だが、政府主導で赤字事業分離を企
業に促す制度の検討に着手したとある。
この件は今後どのように検討が進んでいくのか。
【経産省】
例えばエレクトロニクス製品は、3つのカテゴリーに分ける
ことができる。一つは製品のコモディティ化が進み、世界
のどこでも誰でも簡単に作れてしまう製品。
もう一つは、品質の高さが要求されるなど、コモディティ
化が進んでいない製品。
そして最後は日本が技術優位性を持っていて、これから本
格的に普及していく製品だ。
これら3つのカテゴリーで考えると、指摘されたのは、コモ
ディティ化が進んだ製品をどうしていくかという、最も悩
ましい部分だ。こうした製品は、いかに安く、大量に作るか
の競争であり、シェアを取らないと勝てない。
各社が同じようなものを作っていて、シェアが取れないよ
うでは、勝ち目がない。そういう製品については、各社が持
っているリソースを結集し、シェアを上げていくことが必要
ではないかと考える。
【電機連合】
そうした再編が必要なことではあることは理解するが、切り
出し方のスキームやタイミングが問題だ。先を見る意味では、
本当にダメになってからでは遅い。企業体力があるうちに方
策を打たなければならない。ただ、スキームを悪用して赤字
部門を安易に切り出すなど、経営側の安易な判断が出てくる
ことを懸念する。
会社として取り組むべきことに最大限取り組んだ上で、それ
でもどうしても、といった決断のものでないと、単なる姥捨
て山ができあがってしまう。
【経産省】
本当にここで勝負するぞ、という前向きの再編にしないと、
Win-Win の関係にならない。
事業がだめそうだから切り出しましょうということであれば、
われわれとしても応援はできない。
(3)中小企業対策について-----
【電機連合】
日本企業の国内投資がなかなか進んでいない。経営者のマイ
ンドが国内に向いていないのではないかという不安がある。
その影響をまともに受けているのが地方・中小企業だ。
日本経済は回復しかけていると言うが、中小企業が置かれて
いる立場は相変わらず厳しいという声があちこちから聞こえる。
【経産省】
中小企業対策は、経済産業省の中でもトッププライオリティ
で取り組んでいる。
その一つが「ものづくり補助金」(中小企業の設備投資など
に補助率3分の2で最大1000万円を補助する)で、これは非常
に高い評価を得ている。
また、中小企業に対する経営支援のあり方も考えなければな
らない。現在、商工会や商工会議所が中心となって支援して
いるが、中小企業にとっては敷居が高く、しかも来たら教え
てあげるというスタンスのところがある。そこで、中小企業
の経営者にとってより身近な信金、信組、税理士などに政府
の施策の情報を提供して、必要とする人に伝えてもらえるよ
うにする取り組みを進めている。
地味な話ではあるが、効果があるのではないかと考えている。